368、月明かりの中、川で水浴びする女
森の中で夜を迎えた。
日が暮れる前、ポエニは森の中で狩りをした。
猪を丸焼きにした。
また、ラーニャが切り分けて、みんなで食べた。
寝床は地面の上だった。晴れていて季節も夏なので布団もなく眠ることができた。
五味と九頭と加須が並んで寝て、ポエニとラーニャは離れたところで姉弟のように寝た。
月の光が木漏れ日のように地面に当たる夜中、五味が起き上がった。
それに気づいた九頭が言った。
「おい、五味どこに行くんだ?」
「便所だよ」
「そうか」
九頭は眼を閉じた。
五味は茂みの中に入っていった。しかし、そこで方向転換し、ラーニャの方へ近づいた。
ラーニャはポエニの横で眠っていた。
五味はその横に体を横たえた。
ラーニャは寝息を立てて眠っている。
五味は体を密着させた。
「う、う~ん」
ラーニャは声を上げた。
五味は右手をラーニャの股間に伸ばした。そして、ズボンの中に手を入れた。陰毛が触れた。そして、さらに下に手を伸ばすと、そこにはあるはずのないものがあった。
「え?」
五味は素速く、手を引っ込めた。
「ラーニャ、おまえ、男だったのか?」
すると背後で人の気配がした。
五味がその人物を見ると月明かりに照らされたその顔はラーニャだった。
「ゴーミ、あんたここで何してる?」
五味は焦った。
「え?ラーニャ、どこにいたんだ?」
「あたしはちょっと用を足しに」
「じゃあ、ここに寝ているのは?」
五味が先ほどラーニャかと思って股間に手を置いた人物の顔を見た。
加須だった。
「あ、加須、この野郎!なんで、ここで寝てやがる?」
加須は眠い目をこすって起きた。
「なんだよ、五味、もう朝か?」
「とぼけるな!おまえラーニャに何をした?」
ラーニャは言う。
「あたしが用足しに立ったときにはカースはそこにいなかったわ。でも、どうして、ふたりはここにいるの?」
五味は頭を掻いて言った。
「いや~、なんでかな~?」
加須が立ち上がって言った。
「あ、こいつ、ラーニャに夜這いするつもりだったんだぜ?」
五味は言う。
「じゃあ、おまえは何をしようとしてた?加須!」
「俺はただ添い寝しようと・・・」
「それを夜這いと言うんだよ!」
そこへ今度は九頭が来た。眠そうな目をしている。
「なにやってんだ?おまえら?」
九頭の下半身はパンツが下ろされ、アレがむき出しになっている。
「わー、何やってんだ?変態か?」
「最低だな」
五味と加須は九頭を攻めた。
九頭は言う。
「いや、夢精しちゃったから、川で洗おうかと・・・」
五味は言う。
「でも、パンツは履いて歩け、変態が!」
加須も言う。
「そうだぞ、ここにはレディがいるんだぞ」
ラーニャは言った。
「なにがレディよ。夜這いしようとしたくせに。あんたたち、いい?あたしに手を出したら殺す。このレイピアで心臓を一刺し、わかったわね?」
「「「へ~い」」」
五味と加須は元の寝床に戻り、九頭は川に水浴びに行った。
夜の川原は月の光に照らされて明るかった。
九頭はその岸辺にしゃがんで水を手で掬って陰部にかけた。
ふと、対岸を見た。そこには川の浅瀬で水浴びをしている、しなやかな体の女性が長い髪を振りほどいて、その飛び散った水が月明かりに照らされキラキラと光った。女性は全裸で月の明かりがその白い体を闇の中に浮かび上がらせていた。




