表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
302/1174

303、カルガン、アトリフと共に

ヨヨという町の北の入り口で、ラレンとザザックはカルガン皇太子が来るのを待っていた。

「なんで、ふたりで待たなきゃ行けないんだ?」

ザザックが言うと、ラレンが言った。

「どっちかがトイレに行きたくなった場合、ここに誰もいなくなるのはまずいだろう?」

「なんだ、トイレ対策かよ」

「おい、来たぞ。あれだろう?」

見ると北の森の中から、徒歩で来る太った若者がいた。カルガンだった。

ラレンは声をかけた。

「カルガン皇太子殿下でいらっしゃいますね?」

「うむ、いかにも。私は国王ダルガンのひとり息子、皇太子のカルガンだ」

「我々の宿にお越しください。お守りいたします」

「うむ、よかった。私を皇太子と認識できる者がいた。ドロンという村では誰も私を皇太子であると認識できなかった。まったく田舎はダメだな」

そう言いながら、ヨヨの町を歩いたが、誰も皇太子が来たと騒ぐ者はいなかった。

宿に入り、アトリフの部屋に入った。

アトリフは籐椅子に腰掛けて、ワインを飲んでいた。

「おお、カルガン王子様、ようこそいらっしゃいました」

アトリフは向かいの席を勧めた。

カルガンは籐椅子に座りながら言った。

「おまえはメファニテで犀のドラゴンを倒した男だな?」

「おお、俺の顔を覚えていてくださいましたか?」

「うむ、功績ある者の顔は忘れない。王者の義務だ」

「さすがですね」

「で、おまえたちは、私をどうしてくれるのだ?メファニテに送り返してくれるか?」

「いや、メファニテには戻りません」

「じゃあ、どうするのだ?」

「殿下はレヨン王妃を連れ戻しにいらしたのでしょう?」

「そうだ」

「俺たちが力になりますよ。ともに西へ向かって旅をしましょう」

「なに?おまえらとともに?」

「不安ですか?ご存じのように俺はドラゴンを倒すことができる力がある。凡百の兵より優秀かと思いますが」

「うむ、そうだな。頼むとしよう」

「では、一杯いかがです?」

そう言って、アトリフはワインのボトルを持ち上げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ