299、最低な三人とロローの会話
五味と九頭と加須はロローと同じ部屋で寝た。
五味は言った。
「ロロー、君は親父さんみたいに大臣になるのか?」
「僕に政治家になる能力はないよ。僕は剣士として生きていきたい。ユリトスさんとも話したけど、もうレヨン王妃を連れ戻そうとも思わない。これは王ダルガンに逆らう行為かもしれない。でも、そこはなんとでも言い訳がつくと思う。僕には妻がいるんだ。伯爵という身分もある。早く帰り、安定した生活をしたいよ。君たちは凄いね。こんな旅をずっと続けてきたんだろ?」
九頭は言う。
「うん、俺たちは国王の座から逃亡したんだよ」
「え?逃亡?国王の座から?なんで?」
九頭は言った。
「戦争の責任者になりたくなかったんだ」
ロローは言う。
「でも、王座から逃げ出すなんて、他に理由があるんだろう?」
加須は言った。
「王の責任が嫌だったんだよ」
五味は言う。
「そうだよ。俺たちは雑魚だった。雑魚は王座に就いてもそこに落ち着けないのさ」
「雑魚?」
九頭は言う。
「うん、俺もそう思う。俺たちは雑魚だった」
加須は言う。
「でも、この旅を通して、少しはマシになったかなと思うよ」
五味も言う。
「俺もそう思う。なんか、以前の俺たちじゃない」
九頭は言う。
「そうだよ。こんなに不思議なことが起こる旅はなかなか経験できない。だって、ドラゴンと出会う旅なんだぜ?」
五味は言う。
「次はフェニックスかもな」
加須は笑う。
「おもしれーな」
そして、加須はロローに訊く。
「ところでロローには奥さんがいるんだろ?」
「ああ、いるよ」
「どんな体位を一番よくするんだ?」
「体位?」
加須は言う。
「セッ○スのときの体位だよ」
ロローは答えられなかった。
「なぜそんなことを訊くんだい?」
加須は言う。
「だって、気になるじゃないか」
気になるところが最低である。
五味も言う。
「カルガンは騎乗位だと言ってたぞ。王者はその体位であるべきとか言ってたな」
九頭は言う。
「でも、ロローは真面目だから正常位じゃないか?やっぱり」
ロローはもう話について行けなかった。
五味は言う。
「やっぱ、真面目は正常位か?正常位って言うくらいだから、それが王道なのかな?」
加須は言う。
「世間には夫婦は数多いるのにその夜の営みはみんな闇に閉ざされているんだよな」
九頭も言う。
「うん、みんなのやってる姿を見比べて、真実を突き止めたいよな」
五味も言う。
「うん、真実のセッ○ス」
ロローは布団に潜り、目を閉じ耳を塞いだ。
次にロローが耳から手を放したときには、三人の国王はすやすやと寝息を立てていた。




