表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
261/1174

261、ドンブラとロローの相談

美男子の報告を受けたドンブラは考えた。

「ロローに一任するというのはやはり度が過ぎているだす。逃げたのは王妃だす。王妃に逃げられるなど、国王の恥だす。まだ、逃げたと言うより攫われたと言えば体面は保たれるだすが、そんな 言い訳が通じるのも時間の問題だす。やっぱりわいが行かなければダメだす。国王もきっとそう言うだす。言われる前にやったほうが国王の怒りにも触れぬというものだす。よし、明日出発だす」

ロローはまだ、ヨッチャンの診療所で療養していた。

そこにドンブラ将軍が来た。

「ロロー伯爵。やっぱりわいは西へ軍勢を率いて行くだす。王妃がハイン国外に出る前に連れ戻さねばならないだす」

「軍勢を率いてですか?」

ロローは言った。

「無理矢理連れ帰ると言うのですか?」

ドンブラ将軍は言った。

「しかし、ロロー伯爵は王妃が自分の意志で旅に出たように確信を持って言うだすが、なぜだす?」

これにはロローも上手く返事ができなかった。ロローも王妃を攫うことに協力していたからだ。ロローはごまかした。

「しかし、王都へ早馬を出したのですからそれは待たねば、王に失礼でしょう?」

「そうだす。そこだす。急を要する事態なのに、王からの命令をただ待つのは、よくないだす。あ、そうだ、ロロー伯爵。あなたは先に王妃を探しに行ってくれないだすか?」

「え?」

「もし、王があなたひとりで王妃を取り戻すという案に賛成ならば、そのままでいいし、もし、やはりわいが行くべきだと王がおっしゃるならば、わいは軍勢を率いて後を追うだす」

ロローは上手くごまかせたのでホッとしたのと、まだ軍勢がユリトスたちを追うことになる可能性があるということに不安を感じた。仮に軍勢が力を出して、王妃を取り戻したら、彼女を攫ったユリトスたちは当然死刑になるだろうと思われるからだ。

ロローは答えた。

「わかりました。僕はひとりで明日の朝、西へ向かいます」

「うむ、そうしてくれ」

ふたりは別れ、ロローはヨッチャンの診療所のベッドに入り、ドンブラは宿所に戻った。

その夜も黒と白の巨大な二匹の蛇は絡み合ったままだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ