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24、賞金稼ぎ

ラレンは笑った。

「はっはっは。三対百でどうしようというのだ?」

ユリトスは言った。

「この兵士たちはガンダリアの者ではないか?」

ラレンは笑った。

「そうだ、前線で国を守っていた兵士たちだ。しかし、自分たちが命を張っているそのときにガンダリア王はハーレムで遊んでいた。そして、二度も逃げだした。この兵士たちはそんな国王を許せないと考える連中だ」

ユリトスは言った。

「ガンダリアの兵士は国王に忠誠を誓った者たちのはずだ」

「しかし、二度も逃げられては忠誠心もなくなるさ。それに・・・」

ラレンはそこで言葉を切ってから言った。

「ネクラ大臣は国王を捕らえた者には賞金三億ゴールドを用意している。俺が一億ゴールドもらい、残りを手を貸してくれた者たちで山分けしてもよいとナキアで募ったら、これだけの人数が集まった。皆、前線から傷つき疲れ帰って来た者たちだ。帰りを待つ家族のために手柄と賞金が欲しいのよ。さあ、武器を捨てろ。おとなしくお縄につけ!」

ユリトスはポルトスとアラミスに言った。

「いくらなんでもこの数の差では勝ち目はない。やむをえまい、武器を捨てよう」

三人はサーベルを地面に置いた。

九頭は言った。

「え?どうなっちゃうの?どうなっちゃうの?」

加須も震えながら言った。

「また、縛られるの?いやだよ、俺」

五味は失禁していた。

「いよいよ、殺されるかも」


その頃、ラーニャは森の中を馬に乗りワイパの町に向かって歩いていた。

「へへへ、チョロいもんだね。ラレンに国王どもを渡したら三百万ゴールド手に入った。どうせあいつらナキアに向かってたんだ。それをあたしが先導したみたいに見せかけたらこのカネだ。賞金稼ぎか、山賊よりいいかもな。よし、アジトに戻って、親父の残した遺産を頂いて、それからこれからのことを考えよう」

ラーニャはワイパの町で軽食を摂るとそのまま東の山岳地帯に入って行った。

 そして、アジトに着いた。崖に隠れた木立の中にある木造の建物だ。

「おい、ナフカじいちゃん」

その、留守番の老人はすぐに中から出て来た。

「おお、ラーニャか」

「じいちゃん、親父が殺された。ゴメス一団は解散だ」

「うむ、そうなるだろうな」

そのとき、建物の中から男たちが五人出て来た。それはゴメスが殺されたときに逃げ出した生き残りだった。

「ラーニャさん」

「みんな・・・」

「俺たちはどうしたらいいでしょう?親分がいなくなっては俺たちはどうしたらいいかわかりません」

「なに暗い顔してんのよ。これからはあたしが親分よ」

「え?」

「あたしは賞金稼ぎになるの。あんたたちはその手助けをしてくれたらいい」

「賞金稼ぎですか?」

「今、ロンガとの国境で戦いがある。そこへ行けば儲け話がありそうじゃない?」

「おお、さすが、ゴメス親分の娘さんだ。親父さんが殺されたのにまったく落ち込んでいない」

こうしてその晩は、ラーニャたちはアジトで飲んで食べて騒いで眠った。


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