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198、カリア姫の再出発

「カリアよ」

「なんでしょう?ウンダスお兄様」

ウンダスは王の執務室でカリアにハイン国から来た手紙を渡した。

「これは?」

「ハイン国におまえとライドロが来るようにとの手紙だ。そうしなければ戦争になるとも書いてある」

「なぜ、私がハイン国に行かなければならないのでしょう?」

「あっちのカルガン王子がおまえに惚れたそうだ」

カリア姫は手紙を読んだ。

「まあ、ユリトス様たちの署名があるわ」

「うむ、ハイン国は彼らを取り込んだようだな」

「しかし、私が断れば戦争とはどういうことでしょう?」

「文字通りのことだろう。しかし、今、戦争をするのはこのデラン王国にとって辛いところだ。恐らく負けるだろう。すでに国境の町コランはハイン国の支配下になっている。これから徐々に国境が東へ動くかもしれない」

「お兄様。条件をつけましょう」

「なに?」

「私がハイン国に行く代わりに、国境をもとのコランの町に戻すように言うのです」

「だが、おまえは本当にそれでいいのか?あの、カルガンという王子と結婚ということになるぞ」

「ユリトス様たちは私とライドロの仲をよくご存じのはず。この手紙、『従僕のライドロを連れて』とあるところにあの方たちの配慮を感じます。ライドロは従僕ではないのにそう書かれているということは、彼を従僕として連れて行けば、またふたりで暮らすチャンスがあるかもしれないと考えてのことでしょう」

「行くのか?」

「行きます」

翌日、カリア姫はライドロを従僕として、僅かな護衛を伴って西へ向かって出発した。



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