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1147、ポルトス対ゼラン

「しまった!」

ゼランは真空の剣を握りしめた。

「次はこの俺が一太刀浴びせねば、俺の願いを言う権利がなくなる」

ザザック、ラレン、アラミス、ラーニャ、ジイの五人はまだ低脳なドラゴンたちと戦っている。

ポルトスは立ち上がり、五味を守るようにゼランとの間に立った。

ゼランは真空の剣を握って、ポルトスを見た。

「ふん、今、俺は聖剣を手にした。この俺に凡人のおまえが勝てると思うか?」

ポルトスは言う。

「俺は三銃士のひとりだ」

「ふん、そんなもの、俺に通じると思うのか?」

「通じるさ。三銃士の友情は永遠だ。永遠の絆を持った人間の強さを思い知るがいい。魔王!」

ポルトスは、ゼランに向かって剣を振るった。

五味は言った。

「ポルトス!ユリトスさんとの殺さずの誓いはどうなった?ゼランを殺すな!」

ポルトスは言う。

「相手は千年以上生きている魔王だ。人間ではない。それに仲間を殺した魔王を殺してはいけないと俺は思わない」

五味は言う。

「そうやって、誓いを破る屁理屈をつけるなよ」

「五味がなんと言おうと俺は、魔王と戦うと決めた。俺はやはり剣士だ。平和のために剣を振るう」

ポルトスとゼランは剣を交えた。

しかし、ポルトスの剣は簡単に折れてしまった。

ポルトスは五味のいる場所まで後退した。

ゼランは笑う。

「ふはははは、こちらは聖剣、おまえのは平凡な剣だった。勝てるわけがない」

ポルトスは、背後にいる五味のほうを見ずに言った。

「五味、その白熱の剣を俺に貸してくれ。おまえが持つより有効に使えるはずだ」

五味は言う。

「嫌だ。人殺しに手は貸さない」

ポルトスは言う。

「ユリトス先生は、おまえに殺された。だが、最期までおまえのために生きていた。おまえたち異世界人のために。平和主義、確かに結構だ。しかし、現に今強大な敵が目の前にいるんだ。こいつらを倒さねば平和も何もないだろう?」

ゼランは笑いながら五味のほうに近づいて来る。

五味の後ろにはネズトスがドラゴンの秘宝を抱えて立っている。

五味の前にはポルトスがナイフを構えて立っている。

ゼランは言う。

「ははは、そんなナイフで俺と戦う気か?」


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