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1112、光の階段を登る加須とアリシア

加須もアリシアの手を引いて光の階段を夜空の中で登っていた。

アリシアの横顔は、共に歌っているときのように美しく見えた。

明るい月の光に照らされたせいかもしれなかったが、加須にはこの世で一番美しい横顔だと思った。あの顔はブスで体は完璧と当初は思っていたアリシアがこんなに美しい存在として自分の横にいることが信じられなかった。繋いだ手からも彼女の現実の存在感が伝わってきた。

まだ冒険は終わりではなかった。

この先何が起きるかわからない。その度に加須はアリシアと歌う機会があるだろうと思った。加須はいつ死ぬかわからない自分を思った。死ぬならばこそ、アリシアとの繋がりは大切にしたいと思っていた。以前の加須ならばセックスをしたいと思っていただろうが、今の加須にはセックスをしたいのも確かにあったが、それ以上に心が繋がっていたいと思うようになっていた。無理に体の繋がりを求めて、気まずくなるよりは、このまま手を繋ぎ歌を歌って心の繋がりを大事にした方が良いと思った。これは保守ではなかった。加須の芯からの願いだった。できるだけ長く彼女と繋がっていたかった。転生予約をしても、なるべく長くこっちの世界に留まりたかった。

この光の階段を、星々がふたりを祝福するような夜空に伸びる階段を永遠に登って行きたいとアリシアと手を繋ぎながら加須は思っていた。


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