エピローグ 天と地の最果てには
――それから、と言うもの。
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まずは、手術をしたメイリーが目を覚ました。
城の件が終わった頃に、目を覚ましたと言うことだ。
「彼女の生命が、紡いだんだ」
と、ロンゾンさんが言っていた。
全く、その通りだなと感じる。
『生きたい』の気持ちが勝ったのだろう。
その日から1週間、様子を見るとの事だ。
▫▫▫
そして、ヴェルシア解放隊についてだ。
現トップであるボエルジーは永遠刑で監獄されていたが、この一件を起こさせたとの事で、死罪とされた。
そしてオリィは、共謀罪の罪となった。
一応、決別と反省の弁を述べていることから、懲役15年と言い渡された。
彼自身、役を終わらせたらメイリーの元へと話していた。
その後、ヴェルシア解放隊は解散命令が下されたと聞いている。
余談だが……
道中で解放隊が俺達を狙うタイミングが少なかったのは、隊員が少なかったからとオリィから聞いている。
▫▫▫
それで、俺はだ。
腕の治療を終え、家にチアと一緒に帰っていた。
チアには精神的に辛い想いをさせてしまったが、本人は『良い経験になった』と言っていた。
まあ、俺への気遣いだろうが、その言葉を受け止めてあげよう。
(ちなみに、腕が本格的に治るまで、喫茶店は休みを取ることにした)
そして再び、何気ない日常が戻ったのだ。
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「ベルゼーラさん」
ふと、チアの声が聞こえた。
「……ん、どうした」
「何を書いているのです?」
そうチアが聞いた。
「……ああ、今回の件についての報告書を書いているんだ」
女王陛下から、他の国の『異変』とその後の話を詳しく聞きたいと電報あったからだ。
「そうだったんですね。……あの、今からお茶を入れてきます」
「ああ、ありがとう。この報告書もあと少しで終わるから、その後にティータイムにしようか」
そう返すと、チアは頷いてキッチンの方に向かった。
その姿を見届けたあと、紙に目線を落とす。
(……最後に)
と、筆を走らせる。
『天と地の最果てに、未来を照らす日が昇るよう願う』
と、書いて締めた。
いつまでも、この世界が幸せであるように……と。
――完――
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
楽しんでいただけたでしょうか。
……ただ、だいぶ時間をかけてしまって、待たせてしまって申し訳ありませんでした (汗)
それでは、次回の作品でまたお会いしましょう。




