他人の山を登れるか
積まれた一枚の山が物々しさを語る
机に置かれたたった一枚の丸い板切れが
正しくは金の山だと認識される
誰よりも上から見下ろしてくる
私の方が下だと思っておけば良かった
下だと思わされる物ならば
しかし中途半端に積まれた板の山が
私の逃走の選択を曇らせ棘を刺す
何事もなく見下し続けられるという
その場限りの保証は存在しない
蹴落とすことすらもう出来ないまま
他人の山を登らされることになる
人の金の山を登り詰め
頂上を奪い取れなければ
そのまま地まで落とされる