身バレ
スマホが使えないというか、小説を書ける状態じゃないのでパソコンで書きました。
隣がカレンだからか、周りの人たちから少し殺気の籠った目で睨まれている気がする。カレンはというと、隣が俺だということに気付いたらしく、一瞬驚いた顔をした後、頬がピクピクした真顔になった。
……この顔は、前世だといたずらを思いついた時にする表情だ。悪い予感がする。
「皆さん同じクラスの人で、レベルが近い人とペアになってください」
この指示はまずい。俺のクラスは男女15人ずつだ。つまり男女ペアが一組できる。もし正体がばれているカレンと正体がばれていない俺が組んだら周りから視線だけで殺されるかもしれない。
今まではまだよかった。光の玉だったから誰かわからなかったし。
カレンと近いレベルの人なんているはずもなく、女子はカレンが余った。男子は、周りは次々とペアを組んでいき、友達がいない俺が残った。
「おい」
そこで、男子4人、女子4人も集団に声をかけられた。振り向くと、一番顔がイケメンな人が近づいてきた。
「お前、いつも一番最初にログアウトしてたボッチ君だよな?あのカレンさんとペアになったからって調子乗るんじゃねぇぞ。雑魚そうな装備してよ」
そう一方的に言ってきて、遠ざかっていく。俺は今、装備をキングボアを倒した時の装備にしている。正体がばれないように。
それにしても何様だあいつ?あれか?自分カレンと組みたかったけどレベルの差で勇気出んかったひとか?それで俺は『ボッチ』で『組む人がいない』事を利用してカレンとペアを組んだとでも思ってるのかな?俺の表情を見ろ。嫌そうだろ……って俺仮面付けてるからみえないか。それとも『自分がクラスの頂点だから。俺みたいな人ならまだしも、お前みたいなやつがカレンと仲良くなれると思うんじゃねぇぞ』ってこと?それだったら笑えるな。そんなクラスの頂点様(笑)が馬鹿にしてるやつのほうがカレンと親しい関係なんだからな。俺が今正体をバラしたらそんなお前のクラスでの地位はどうなるかな?
…………って冷静になれ俺。周りの奴には勝手に何でも言わせとけばいいんだ。
ちらりと周りを見回してみれば、『流石に言いすぎだろ』って顔をしている人が2割、俺と同じように『何様だよ』って思ってる人が6割、『よくやった』とでも言いたそうに満足気な顔をしてる人が残りの2割ほどいた。
スズは、俺に話しかけたやつに物凄い殺気を向けていた。カレンは、近くの建物をボーっと眺めながら拳を握っている。この反応は、怒りを鎮めているときの反応だ。しかし、すぐにいたずらを思いついた反応をする。頬ピクピク。何を考えているかは分からなかった。
「では、片方が対戦を申し込んでください」
カレンが対戦を申し込んでくる。それを了承して、攻撃可能までの10秒のカウントダウンが始まる。周りの人たちは、対戦をせず、こちらに注目している。先生も、それを注意するつもりはなさそうだ。
カレンが、悪魔の翼をだすと、周りが騒ぎ始めた……と思ったら、声が聞こえなくなる。対戦なので外の音はきこえなくなるからだ。
流石に、AGIが3倍になったカレンの速度に対応できる気がしないので、少し耐えた後に負けることにする。クラスの頂点様(笑)に対してのちょっとした意趣返しだ。
カウントダウンが0になった瞬間、危機察知が反応する。後ろに跳躍すると、さっき俺がいた場所のすぐ前でカレンは剣を振り下ろした状態になっている。顔がかなりにやついていた。しかし、そこから動く気配が無い。どうしたのかな?と思いながら着地すると、視界が中央から左右に段々と明るくなり、完全に明るくなると、ポリゴンの消滅音が聞こえてきた。
まさか!?と思いながら顔を触ると、仮面の感触が無かった。周りを見てみると、カレンが登場した時よりもポカンと口を開けて固まっていた。クラスの頂点様(笑)と、その取り巻き?は顔が真っ青になっていた。




