仮面屋
女神様と会話した日の三日後、朝起きてSWにログインしようとすると、学校からメールが届いてた。
『9月1日午前8時30分 学校開始
国から学校ごとにSWのサーバーが配布されたので、いつもの教室にログインした後リンクを配布します。
教室では、SWのアバターが使われます。
これからの学校の5、6時間目はSWで技術を高める予定です。
公式大会で好成績を出した人は長期休暇明け、学校行事以外の日は自由登校です。
※学校サーバーから日本サーバー(世界サーバー)に戻る時は、学校サーバーに移行する前の状態に戻ります』
んー......学校で仲良い人っていうか、話す人はいなかったけど、これだけ有名になったらどんどん話しかけられそうだな......
よし。バレないように仮面つけて行こう。周りから変な目で見られるかもしれないけど、今まで話してこなかった人に急に話しかけられても上手に答えられるきしないからね。
それから二日たった学校前日の8月31日。現在フォスの街で身バレ防止用の仮面を探していた。フォスの街までにそれっぽい仮面は見つからなかった。
転移してしばらく歩いていると、まるで狙っているかのように仮面屋がオープンした。
......また女神様か?
考えても仕方ないので、仮面屋に入る。中は、仮面が壁にズラーっと並べられていて、少し不気味だ。店員の人も仮面をつけていて、最初は誰もいないのかと思った。
しばらく仮面を見ていると、店員さんが話しかけてきた。
「いらっしゃいませ。貴方がシーさんですね?」
「はい。そうですが......貴方は?」
「失礼しました。私は貴方が話したことのある女神様の部下です。シーさんがお困りのようだったら助けてあげなさいと伝えられています」
「......そうですか」
「仮面が欲しいんですよね?でしたらこれを」
そう言って、横の壁にかかっていた仮面をこちらに渡してくる。デザインは全体的に黒っぽい。
「この仮面はプレイヤーのレベル、名前と特殊称号を隠します。特殊称号とは、シーさんの名前の横にある王冠とかですね。ただ、今のゲームレベルでこの装備があることに違和感を抱かれないようにするために、耐久力がかなり低くなってます。そこだけ注意してくださいね」
「分かりました。ありがとうございます」
「「あっ」」
仮面を手にして店を出ると、ちょうどカレンが通り過ぎるところだった。カレンはしばらく俺の持っている仮面を見た後、
「何?その仮面」
と聞いてきた。
「明日から学校あるんだけど、俺有名になったし、一応身バレしないようにって思って。この仮面、ステータスとか名前とか隠せるから。カレンは何しにこの街に?」
「街を色々見て回ってたの。少し前にエリアボス倒したばかりだったから」
「そっか」
それからカレンと少し話して、昼食の時間になったのでログアウトした。




