始まったSW
さて、さっきと全く同じ場所に転移した。違うところはちらほらとプレイヤーがいるぐらい。
既にパーティを組んでる人いるけど俺はソロで行く。パーティ組むより効率よさそうだからね。でもみんな装備が剣とか槍、盾とかで杖持ってる人が1人もいない。
現実だと魔法使えないから最初から選ぶ人多そうだったんだけどね。どうしてだろ?
ギルドで「モンスター討伐」という依頼を受けた。どのモンスターでも1体狩ると50kの報酬で何体でも狩っていいらしい。
また街の西側の外へ出た。チュートリアルと同じ場所、草原のフィールドだ。スライムや茶色い毛並みの猪と戦ってるプレイヤーが結構いる。
しばらく色々な人の戦闘を見てみたけど…かなり弱い。ソロの人で、ステータスでは十分勝っているのにスライムに負けてる人とかいた。ほとんどの人が攻撃があたらず、攻撃を避けれてない。
なぜ?と思っていると後ろから気配を感じた。慌てて横に避けると、猪が通っていき、急ブレーキした。どうやらいつのまにか後ろにいたらしい。
「ブモオォォォ‼︎」
と突進してきたところを回避し、横から首に斬りつける。すぐに斬り上げると、首が落ち、猪がポリゴン状になって消えた。どうやら首と心臓は全ての生物に弱点にされてるらしい。
『レベルが3に上がりました』
『只今の戦闘により獲得したスキル、称号があります』
お!レベルが上がった事もだけどスキルと称号が手に入った。獲得してみる。
獲得スキル
「気配察知」ある程度近づいた相手の位置を全方位感覚的にわかる。
「危機察知」意識外からの攻撃を受ける時、反応できる。
獲得称号
剣士 剣の扱いが一定を越えている人。大体の剣はこの称号を持っていないと装備できない。剣で与えるダメージが1.1倍。
あー。剣士の称号の獲得条件的に他の武器も同じ感じだと思う。そうすると、前世勇者だった俺は全ての武器を達人レベルに扱える。称号が一瞬で手に入ることが確定してしまったな。
今の感じだと感覚もほとんど戻ってきたみたいだし。
それにしても2撃で倒せる猪さんェ...
しばらくスライムやボア(猪の名前)を狩りまくっていた。鑑定するとその敵のレベルだけ表示された。しばらく狩り続けることにした。
スライムとボアを合計50匹ぐらい狩るとレベルが8まで上がったので街に戻ることにした。
ギルドに報告し、2650k貰い、街を探索する事にした。北エリアに向かった。
所持金は3570k。最初の街であるここ、ファストの街の物は武器、防具でも最大3000kらしいのでほとんどの物が買える。
このゲームでは武器、防具は壊れてもインベントリに戻すと修復するようになってる。壊れるように設定すると、ボスレベルの攻撃を武器で受け止めると余程の武器じゃないと一瞬で壊れるらしい。
なので暫くは武器はいいかな。って思ってると北の門にパネルが浮かんでいた。
『推奨レベル
ソロ8
パーティ5 』
ふーん…。ちょっと装備整えて行ってみるか。と、武器屋がある、南エリアに行くとまたも、門のところにパネルが浮かんでいた。
『推奨レベル
ソロ18
パーティ15 』
ん?これってクエストじゃなくてただのフィールドの適正レベルって事?
とりあえず武器屋に寄ってみた。このゲームではギルド以外の建物は、混雑しないようにパーティごとに違う空間に分かれるらしい。ギルドも一定数を越えると別のギルド空間ができ、次の人からはそこに入るって感じ。
「いらっしゃい!何の武器が欲しいんだ?」
中に入ると、元気のいいおじさんが声をかけてきた。ドワーフではないようだ。
「剣」
…………ヤバイ。NPC相手にもコミュニケーション取るのが難しい。前世だと仲間の4人と王様、女神様ぐらいしか話さなかったし、今世でも家族意外とまともに話したことがない。
学校というか、学校空間でも授業が終わると休憩時間は現実世界で過ごしたから友達と呼べる人がいない。
第一、このゲームの公式HPをみてしまったのが間違いだった。記載されてた内容は...
『全NPCにAI搭載』
無理!AIって事は普通の人と同じじゃん!違うっていう人いるかもだけど俺からしたら全然変わらないよ‼︎
「お、おう?アンタならこれぐらいは扱えるだろう」
とおじさんは困惑しながら剣を出してきた。
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[達人の剣] ☆ 2500k
剣士の称号を手に入れて初めて選ぶ剣におすすめな鉄の剣
STR +10
装備条件
称号:剣士を所持
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このゲームでは、装備のランクは☆1つから10つまである。7つ以上は、同じ装備が存在しない。つまりユニーク装備だ。
ファストの街で入手できる装備情報は☆2が最大、それも入手が難しいらしい。
うん。初心者の剣はSTR補正が1だから買わせて貰おう。
「買う」
買う、じゃねぇよ!もうちょっと喋れよ、頑張れよ!俺‼︎
「おう!ありがとな。またきてくれよ‼︎」
「ああ」
剣を受け取り、店を出た。俺、コミュ障治るかな…
東の門によってみるとやっぱりパネルが浮かんでいた。
『推奨レベル
ソロ13
パーティ10 』
って事は最初の草原は推奨レベル1かな?多分そうだろう。
気づけばもう7時を過ぎていた。夜ご飯の時間は8時からだから北のフィールドを確認してからログアウトしよう。
北のフィールドに来た。最初の草原と似た感じだが、ちょっと草背が高い。
どんなモンスターが出るか探索してみよう。
少しすると、気配察知が発動した。どうやらこの気配察知は、自分でできる気配察知が上乗せされた状態みたいだ。今まで察知できなかったとこでmobが確認された。どうやらまたスライムのようだ。
近づいてみると、スライムがいた。いたのはいいが、草が邪魔で見えにくい。剣で払ってもすぐ再生するのでそのまま戦う事にした。
突進してきた所を1発斬ってみると、20%ぐらいしかダメージを与えられなかった。
そういえば達人の剣に変えてなかったことを思い出し、スライムの攻撃を避けながら剣を入れ替えた。
攻撃してきたスライムを斬ると、残りのHPが半分までしか削れなかった。
(急に硬くなったな⁉︎)
と思い、ある一つの事に気がつく。
(俺、ステータスポイント振ってねぇぇ‼︎)
スライムを倒して、すぐ街に戻った。スライム自体は弱い。いくら30%しかダメージが与えられなくても前世の敵ほどではない。攻撃スピードもまぁまぁ早くなってたが俺だと普通に見切れる。
じゃあなぜ街に戻ったかって?
気配察知が10匹分ぐらい反応してきたからだ。流石に10匹が連携して攻撃してきたら、ノックバックが発生しない攻撃だと、斬ってもそのまま突進されてダメージを受けるかもしれない。
スライムといえば合体(偏見)だからもし10倍以上の力をつけた場合、夕食の8時に間に合わないかもしれない。
時計をみると、7時38分だ。最初の草原レベルだと、時間がかかる事もないので少しの間狩りが出来るかもしれないが、早めに終わる事にした。人が集まってきたからだ。
パーティを組みませんかとか声かけられたら断りづらい。
だから声をかけられる前に急いでログアウトした。
はい。ここでは主人公シーことしずくがどれだけ強いかを常人と比べて証明します。
まずプレイヤースキル。
しずくは前世の感覚があり、15、6年ぐらい運動しなくても、SWの世界ではエリア2のボスまでは問題ないプレイヤースキルを持っています。それがだんだんと蘇ってきて、1日目で、既に前世の感覚が全て戻ってます。武器を使って戦うことが常識の世界で勇者としての感覚です。強くないわけがありません。
逆に、この世界はウイルス発生して25年経ってるんです。外に出れなくなる時代まで運動していた人は25年間ぐらい運動してなかったら全然動けないでしょう。しかも今は大体35歳は越えてます。感覚が18歳とかまで戻らないと思います。他の人は産まれてからろくに運動してない状態です。武器を奮ったり、攻撃回避ができないわけです。運営はそのことを見越してステータスでは圧倒でき、まぁまぁレベルが上がりやすい西のフィールド、主人公が言う、最初の草原を設定したわけです。バトル職の称号を手に入れるのは1ヶ月はかかりそうですね。




