ギルド建設チケット
「広いな」
「広いね」
俺とスズは今、個人フィールドに来ている。けど、フィールドが思ったより広い草原だった。ファストの街と同じぐらいの大きさがある。
俺はインベントリから【ギルド建設チケット】を取り出す。
ギルド建設チケットは、無料でギルドの上限を最大まで増やした状態で作るか、なにも解放されていない最初期のギルドを作り、無料でギルドギルドホームも作るのどちらかを選択できる。ギルドホームは自由の作れるらしいので、そちらを選んだ。
なぜギルドホームを自由に作れるのかは、多分最初期のギルドだと人数が足りずに大きいホームを建てたとしても手入れが行き届かないからだと思う。
手入れという機能は、パラメーター表記であり、ホームストレージの整理整頓や掃除などで維持できる。
ギルドホームは成長させれば色々有利になるバフがギルドメンバーに付与される。それは、広いギルドホームほど効果が上がる。が、手入れをされてないとバフ効果が減ったり、全然手入れをしてなかったらデバフになる時もある。広いギルドホームで全く手入れされてないギルドホームはかなり強いデバフが付与されるだろう。
他プレイヤーは、ギルドホームを建てるときはかなり金がかかるから、普通に買う人の方が多そうだ。
第三の街がギルドホームエリアになっているらしく、俺の個人フィールドは第二エリアの西側にあるが、ここから南西に向かえば第三エリアだそうだ。
ちなみに全て波田さんが教えてくれた。社長ポジの人が良いのかそれで......
とりあえず俺はチケットを使ってみると、ギルドホームの模型が映っているパネルが浮かんできた。それを隣のスズが覗き込んでくる。
「Tha☆普通の家って感じだね。どれくらい広くできるの?」
「個人フィールド限界までの広さできると思うよ。でも小さい方がいいよ。手入れが大変だか......!」
そこまで言って、今思いついた。精霊王さんは管理してくれるって言ってるけど、手入れもしてくれるのかな?
インベントリから【精霊王の魂玉】を取り出し、精霊王さんを召喚する。
「あ!シー様。さっきぶりですね。どういう御用ですか?」
「大きいギルドホームを建てた場合、精霊王さん手入れをお願いしてもいいですか?」
「大丈夫ですよ!どれだけ大きくても私が下位精霊を召喚して手入れすることもできます!あと、敬語は辞めて下さい」
「分かった」
「おお!すごい有能!!しず兄この人どうやって仲間にしたの?」
「大会の日に戦った時に俺の魔法が凄かった。お供します!的な感じ?」
「ああ、なるほど。確かにあれ凄かったしカッコ良かったよね」
「ですよねですよね、妹様!さっきの詠唱魔法も凄かったですし、シーさんがいればあのもう一人の......カレンさんでしたっけ?あの人がいなければこのギルドは負けることがないでしょう!!」
「ちなみにスズも、それと多分カレンも俺みたいに魔法使えるぞ。ついでにカレンも俺たちのギルド入ったから」
「うえぇぇぇえぇぇぇえ!?!?!?」
俺とスズが耳が痛くなるほどの精霊王さんの絶叫が草原に響いたのだった。




