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精霊王

「よく分かりませんが、準備をさせてもらいますよ」


 そう言った精霊王さんがの足元に黄緑色の魔法陣が浮かび上がる。


「【オールエンハンス】!」


 精霊王さんがそう言うと、魔法陣が精霊王さんを通るように浮かび上がり頭を超えたあたりで消える。すると精霊王さんの体が黄緑色に輝き始めた。


「【精霊力変換、デュアルブレード】!」


 精霊王さんの後ろに少し透明で巨大な精霊王さんが見える。それが光となり、精霊王さんの両手に集まり、剣の形になる。光が消えると、俺が見たことある剣に変わった。


「それは......精霊の魂双剣......?」


「正解です。今使った種族固有スキルは精霊力変換といい、1回の戦闘で精霊の仮神弓か精霊の魂双剣のどちらかを呼び出せるんです。

 他にも精霊の頂点という、バフを纏めて使える固有スキルもあります。さっき使ったやつですね」


「え?固有スキルって一つじゃないんですか?」


「はい。でも他の私の固有スキルは回復、自傷で味方にバフ、蘇生、永正放棄などです。ここでは回復魔法を使用できませんし、私一人しか味方はいませんからね。使えるのはさっきの二つぐらいです」


「エグいな。回復魔法無しで助かったな。カレン、気を付けろ。精霊王さんの武器のレアリティは☆8だ」


「へ?私達の防御じゃ一撃も耐えられないんじゃない?」


「多分な。でもダメージを受けなければ良い。予想としてはエルフのデメリットがなくなって、さらに強化された感じじゃないかな?」


「あの剣装備するのならATKもINTも化け物になってるんじゃない⁉︎そういえば私達、魔法って何が使えるの?」


「スキルの、【〜魔法】ってとこ押せば使える魔法が見れるみたいだよ。俺は炎魔法選んで、今はまだ【フレイムボール】しか使えないみたい。フレイムボールは炎の球を生み出す魔法で、消費MPは3だって。詠唱はフレイムボールだけで良さそう」


「私も炎魔法選んだから、シーでそれなら私もフレイムボールしか使えないと思う。」


「とりあえず翼出しとこう。AGIでついていけなかったらその地点で終わりだからね」


 俺は背中から翼を生やすイメージをする。すると、俺とカレンは同じタイミングで翼を背中から出した。どちらも30センチぐらいだ。


「そちらの準備は終わりましたか?」


「ああ。いつでもどうぞ」


「では、行きますね!」


 そう言った瞬間、ものすごい勢いで接近し、剣を振り下ろしてくる。俺は、初心者の剣で受け止め、弾き返す。が、この一回で初心者の剣は壊れたようだ。


「あら、受け止められましたか!これでも全力だったんですがね」


「こっちは剣壊されたんですけど。まあこのゲームは剣が壊れてもインベントリに戻すだけで復活するんですがね!」


 俺は初心者の剣を武器保管の指輪に収納し、剛鉄のブーメランを左手に装備する。その間にカレンが精霊王さんの後ろに回り、剣をぶつけ合っている。少しだけ精霊王さんが押している。


 俺は剛鉄のブーメランを精霊王さんの背中に投げる。ついでにフレイムボールも打つ。......あれ?この魔法を打った時の感覚って......。


「くっ!?」


「はああぁぁぁあぁぁああ!!」


 どちらもヒットし、剛鉄のブーメランは精霊王さんを斬れずに、途中で消滅した。

 精霊王の力が緩んだ隙にカレンが精霊王さんの剣を弾き返し、こちらに戻ってくる。精霊王さんのHPは1%ぐらい減っていた。レベル差あるし、初級魔法のフレイムボールだけど、俺のINTは90レベ並みだぞ?直撃してそんだけのダメージってどんだけバフ効果高いんだ!?


「カレン、ちょっと気になることがあるんだけど。確認のために魔法打ってみて?」


「?分かった。【フレイムボール】。......!?この感覚!!」


「やっぱりそうか!俺の方がINTが高い。援護は俺に任せてくれ!」


「使えるの?」


「使ってみせるよ」


 結構テンション上がってくるな。だって前世と魔法の使い方が同じだったからね!


「何を話しているんですか?来ないのならこちらから行きますよ!!【フレイムランス】!!」


 精霊王さんがそう唱えると、精霊王さんの左手に炎の槍が現れる。それを後ろに大きく振りかぶり、投げてくる。

 しかし、精霊王さんが投げる瞬間に俺は手を前に向け、前世と同じように魔法を使う。


「!?」


 俺とカレンの前には巨大な水の壁ができ、精霊王さんの炎の槍が当たると、槍は一瞬で消えた。

 成功だ。やはりできる!これなら......


 今度は両手を広げる。俺の背後には、様々な属性の小さい球が浮かんでいる。炎、水、風、土、闇、氷、雷、光。ただ、俺のMPは100まで減っている。


「何ですかそれ!?私でも同時に使える魔法の数は片手に一つずつだから二つまでですよ!?」


「そうなんですか。二つ使われるときは警戒しないとですね。それよりも俺ばかりに気を取られてて良いんですか?」


「はあっ!!」


「うっ!?」


 今ので精霊王さんのHPは2%ぐらい減った。カレンのMPは無くなっている。その代わりに体に赤いオーラを纏っている。MPを全てATKアップのバフに使ったのだろう。その後は互角に戦っている。


 精霊王さんがカレンと戦っている間に、光の球を掴み、地面に叩きつける。その瞬間にこの空間の地面全体に光の魔法陣が浮き上がり、俺とカレンに光が纏っていく。だんだんとカレンが精霊王さんを押していく。

 次に俺は、氷の球を掴む。氷の球は形を剣に変えた。土の球も掴み、同じことをする。達人の剣は武器保管の指輪にもどした。

 俺の右手には、土の剣、左手には氷の剣を握っている。

 土の剣を闇の球に当てると、剣が黒くなる。精霊王さんに向けてその剣を投げると、精霊王さんは流石の対応をして躱すが、少しだけ掠った。すると、精霊王さんの強化の黄緑色の光が消える。カレンの一撃で、精霊王さんのHPは7%ほど削れるようになった。


 右手で残りの球を全て掴む。


「カレン、下がれっ!!!」


 俺がそう言った瞬間、カレンは精霊王さんの剣を弾き飛ばし、こちらに下がってくる。精霊王さんの体力は4割ぐらいまで削っていた。俺はそれを確認すると、精霊王さんの目の前に掴んだ球を放り投げた。

 球が地面に当たった。その瞬間、球は炎と雷の竜巻になった。雷には水が付いていて、威力が上がっている。暴風のヒュンヒュンという音以外何も聞こえなくなる。

 しばらく経つと、竜巻が緩くなっていく。俺は地面を蹴って飛ぶ、竜巻が消えるか、消えないかのタイミングで竜巻に突っ込み、氷の剣を右からなぎ払うようにする。

 HPが2割まで減った精霊王さんの左脇腹から中心の腹まで斬れていて、氷の剣はそこで止まっている。

 

「バースト」


 俺がその言葉を発すると、精霊王さんの内側から大量の氷の針が突き出してくる。そして、精霊王さんの残HPを全て吹き飛ばした。


『レベルが31に上がりました』

『只今の戦闘のより獲得したスキル、称号があります』




 

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