本戦 1
今は18時。19時から大会の本戦が始まる。全サーバーを統合するために、またメンテナンスを17時から始め、18時30分に終了予定らしい。
......ん?予選はどうしたのかって?もちろん優勝したよ。でも強いプレイヤーはいなかった。武器を振りながら近づいてきたりする人しかいない。
武器を弾いて首を跳ねればすぐ終わる。
俺が優勝したすぐ後にカレンさんの優勝も決定していた。
同じような人しかいかったのだろう。
俺はすずの手料理を食べ、風呂に入り、18時40分頃にログインした。
ログインすると例の部屋...を四倍したような大きさの部屋だった。椅子が二つあり、正面から照明の光が入ってきている。
SWでは、16時間で朝、昼、夜が一周する。夜中に行かないとクリアできないクエストもあるらしい。
今のSWの世界も現実と同じように夜だ。けれど、会場は上空にある照明によって、昼ぐらい明るくなっている。
俺はしばらく、ガラス張りになっているとこから、何十倍にも大きくなった会場を眺めていた。すると背後が光った。光が収まり、振り返ると、カレンさんがいた。
州代表の2人は同じ部屋になるようだ。
「予選で強い人いた?」
「ううん。いなかったわ。本戦もこんな調子だろうし大会の優勝と準優勝は私か貴方で決まりね」
「フラグにならないといいな」
「大丈夫よ。本戦出場者の試合動画を見たけど予選の人達と実力はあんまり変わらないわ。戦い方も一緒だった」
どうやらカレンさんは俺と違ってちゃんと対戦相手を調べたらしい。それよりも戦い方って...
「どうして皆んなあんな戦い方なんだろうな。武器を弾けば大きい隙ができるのに」
「多分痛みに慣れて無かったら剣で少し斬られるだけでも激痛なんじゃない?だから先に一撃与えて動きを鈍くし、相手の反撃はしっかり避ける事に集中するって感じの戦い方」
なるほど。だからキガも一太刀にこだわってたのか。それよりも前世持ちなの隠す気無いのか?
「やっぱり前世があるのか?」
「ええ。貴方もよね?」
隠す気は無いようだ。
「ああ。俺はシャニーフロンドって世界だよ」
「......奇遇ね、私も同じとこよ」
カレンさんは失敗したような顔をし、何度か迷ってから答えた。
「会ったことあるかもね」
「そうね」
そこまで話すと、カレンさんから話はそこで終わり、というオーラが感じたので話を終了する。
部屋の空中にトーナメント表が表示された。今の時刻は18時58分。俺は3試合目、カレンさんは6試合目だ。自分の試合まで無言で試合を観戦してた。




