現実世界で 2
「しず兄、エリアボスクリアおめでとう‼︎」
すずはそんな祝福の言葉と一緒に唐揚げを口に運んでくれる。この、あーんは、俺が「攻撃受けて、ダメージカット0%にしてたから腕が痺れるよ」と冗談で言ったらしてくれた。
多分すずの事だから冗談ってわかってると思う。まったく、可愛い奴め。
ちなみに唐揚げは大好物だ。
ゲーム内の生放送でも、現実世界にいてもテレビやスマホで気軽に観れる。VRMMOなので、テレビで観ると迫力満載だっただろう。すずもテレビで観たようだ。
「よく勝てたね!さすがしず兄。掲示板で情報漁ってたらしず兄が生配信始めたってあったから驚いたよ‼︎」
「攻撃パターンが結構単純だったからね。流石にフェイントに対応された時はヤバッ‼︎って思ったけどね」
「これは本当に優勝できるかもね。掲示板でもほとんどの人がしず兄が優勝するって言ってたよ‼︎」
「ほとんどって、俺が優勝すると思わない人もいるのか?」
「うん。なんかね?“Karen”ってプレイヤーがしず兄と同じぐらいのps持ってるって」
「ふーん」
「それよりも、エリアボス討伐報酬はどうだった⁉︎」
「......はっ‼︎そうだ!エリアボス討伐報酬!ヤバかった!」
忘れてた!急いでこの喜びと悲しみをすずに伝えたい!
「落ち着いて落ち着いて、どうだったの?」
「ふふん。☆5以上の装備11個、その中でも最高レア度の☆10の剣と防具が両方出たよ!」
「出たって...ガチャか何か?」
「福引!」
「じゃあ公式で発表されてる【邪龍の影尾魔短刀】と【邪龍の双命鱗鎧】⁉︎凄いよしず兄‼︎」
「でもまだ装備できないんだけどね...」
「諦めるのまだ早いよ!もしかしたら大会で優勝すると装備に必要な条件が全部なくなるかもよ!」
「そっか...そうだよな!」
やっぱすずは天才だ!その可能性もあるな!
この後もすずの手料理をよく味わって食べさせてもらった。
ブクマ、評価ありがとうございます




