ナンス王
俺が門番の人に案内されたのは、豪華で大きい扉の前だった。ここが城の中で、王様が呼んでるとなると謁見の間とかだろう。
「勇者様、お入りください」
門番の人は右に寄り扉を開ける。言われた通り中に入ると、赤い絨毯が奥まで続いて、その先にある椅子に威圧感のある若い男性が座っていた。王様と言ったら髭を生やしたおじさんのイメージだったけど状況から考えてあの人が王様だろう。
「よく来たね。勇者くん」
「えっと......」
「気軽に接してくれて構わないよ」
「わ、わかった」
「それで、ファスト王からどのくらいまで話を聞いてるのかな?」
「ファスト王?」
「おや、その様子じゃ何も知らないみたいだね。ファスト王はファストの街の王様のことさ。ちなみに僕はナンス王って言われてるよ」
「なるほど」
街の名前がその国の王の名前かな?
「それで、ファスト王から教えられる事を教えようか」
教えられたことは、このゲームのストーリーのあらすじな事ばかりだった。
まとめると、この街の上空にある城には魔王が住んでる。魔王は悪い奴だから倒そう。でも俺らじゃ倒せなない。神がそれを助け勇者を召喚した。勇者はプレイヤーという意味という事だ。
「どうやってその城まで行くんだ?」
「それはこの街の地下にあるダンジョンの奥にいるはずの四体の龍を倒せば、ダンジョンの奥底にある転移門が使えるようになるはずだよ」




