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ローズマリーの領地はクロフォード公爵の領地の隣にある。
ローズマリーの領地は、ほとんどが山で麓には、小さな町がある。
小さな町と言ってもそれなりに人はいるようだ。
馬車が止まったのは、領地にあるローズマリーの屋敷。
王都にあるローズマリー邸よりも幾分か大きいが、貴族の領主としては小さい方だ。
朝早くにローズマリー邸を出たが、ローズマリーの領地に着いたのは、昼過ぎだった。
「お帰りなさいませ、ローズマリー様。」
邸の扉を開けたのが若いひとりの執事だ。
レオナルドと同じ年頃のように見える。
「ジャック、セバスチャンから聞いているとは思うけど、お客様のお部屋を用意してあるわよね?」
ローズマリーはそう聞きながら他の使用人に、レオナルドと護衛二人の荷物を運ばせていた。
「はい。もちろんです。昼食の準備もしてありますので、食堂へどうぞ。」
ローズマリーとレオナルドは食堂へ。
レオナルドの護衛二人は別室へ。
アリアはジャックと他の使用人に任せ、アリアも使用人室で昼食をとりに行った。
「レオナルド様、先程から黙っていらっしゃいますが、気分でも悪いのですか?」
気味が悪いほど静かで、ローズマリーも気になっていた。
「あ、いや、なんか、よく分からなくて今の状況が…。」
昼食をとることもなく呆然としていた。
「とりあえず、召し上がったらいかがですか?冷めてしまっては料理人が、がっかりしてしまいます。」
「え、あ、そうだな。いただきます。」
レオナルドは手を合わせて、いただきますをして目の前に出された、パン、サラダ、スープ、メインの魚料理をみていた。
そんな様子を見ていたローズマリーはぼそりと呟いた。
「…いただきます。は言えるのね。」
「へ?」
「いえ、何でもないですわ。」
レオナルドはスープを一口飲んだ。
「うまいっ!城の料理よりうまい!俺好みの味付けだ!」
そういうとレオナルドは、勢いよくパクパクと他の料理にも手をつけて、どれもうまいうまいと嬉しそうに食べていた。
「ローズマリー嬢!こんなに美味しい料理は初めてだ!」
レオナルドが嬉しそうに食べてる姿を見て、ローズマリーは少し微笑んだ。
「我が自慢のシェフですから。」
とふわりと花が咲いたように笑うローズマリー…その笑顔は本当に美しい。
「…美しいな。」
とレオナルドはポツリと呟いたが、ローズマリーには聞こえていなかったが、レオナルドの近くにいた執事のジャックには聞こえていた。
「レオナルド様、お水のおかわり入りますか?」
「あぁ、お願いする。」
とレオナルドが言うとジャックはグラスのギリギリまで水を入れた。
「どうぞ。」
「どうぞ……って、これじゃ溢すじゃないかっ!」
「王子様なら飲めると思ったので。どうぞ。」
と、ジャックはしれっとしていた。
「ジャック、一応王子様でありお客様なのだから、ほどほどにしなさいね?」
ジャックは、はいと短く返事をした。
「ローズマリー嬢!一応じゃなくて、王子だから!」
「はいはい、バカ王子。食事が終わりましたら、孤児院の視察に行きますので同行してくださいね。」
「孤児院?」
「そうです。孤児院の夕食に招かれているので。」
レオナルドが何で?という顔をしていた。
「そうですわね…私がここの領主になって7年…。7年前の事件を知っていらっしゃるかしら?」
レオナルドも7年前の事件は知っていた。
ローズマリーが不正を暴き出したことも…だが、孤児院と何の関係が…
と思ったとき、
「7年前の事件には表に出していないものもありますわ…どこからお話しようかしら…」
ローズマリーはゆっくりと話し出した。




