08
王立学園は土日の2日間が休日。
レオナルドは今までは1日は公務や勉学に勤しみ、もう1日はイザベラと過ごしていた。
ほとんどが城に招いてティータイムを一緒にしていた。
だが、これから休日はローズマリーに付き合わなくてはならない。
国王と王妃も公務はいいから、とローズマリーの方に行きなさいという始末。
婚約破棄を反対しているのであれば、王子としての資質がない方がいいのでは?と思いながら、レオナルドは目的地についた。
王都の外れにある屋敷にレオナルドは招待された。
屋敷は貴族の屋敷としては小さくこじんまりしていた。
屋敷の門が開いたが、門から建物の玄関までの道は遠くないので、馬車を降り、護衛の二人と一緒に歩き出すと、玄関の扉が開いた。
「お待ちしておりました。レオナルド・カルディアス様。ローズマリー様が中でお待ちです。」
深々と頭を下げた執事。歳を召していて、白髪は混じっている。60代ぐらいだろうかと考えながら中を案内された。
案内された部屋も広くはないが、シンプルで必要最低限の物しかなく、シンプルなソファにどんと座っている人物がいた。
「あら、お早いのですね?」
「ローズマリー嬢、お招きいただきありがとうございます。」
そう勿論、ローズマリーに呼ばれてレオナルドはここに来たが、レオナルドはここにきてからずっと疑問が…。
「ここは、一体…?」
「ここは、私専用の屋敷になります。クロフォード公爵家の屋敷は別になります。あまり大きく広いのが好きではないので、レオナルド様からしたら狭いと思いますが、我慢なさってくださいね。必要最低限の生活ができればいいので。」
ローズマリーはにこりと微笑んだ。
「必要最低限?」
「えぇ。ここは、王都に用があるときだけ使用するので最低限の生活と最低限の使用人がいれば充分ですわ。普段は、私直轄の領地の屋敷で過ごしておりますので。」
「それならば、公爵家の屋敷でいいんじゃ…。わざわざこんな…。」
ところじゃなくても、と言おうとしたら、ローズマリーの紅い瞳が鋭くなった。
「クロフォード公爵の屋敷には居れません。公爵と公爵夫人は信用できませんから。」
「え?ローズマリー嬢はクロフォード公爵家の令嬢で…」
「レオナルド様、そんなことより今日は先程いった私の直轄の領地に視察に行きますから、準備してください。アリア。」
ローズマリーの側に控えていたメイドが箱の中から何かを取り出し、ローズマリーに渡した。
「その服装ですと、華美すぎるのでこちらに着替えてください。護衛の方も。着替えぐらいはお一人でもできますよね?」
レオナルドが手に取ったのはいたってシンプルな白シャツとネイビーのジャケット、黒いパンツだった。
「私も準備しますので、準備か整い次第、お声をかけさせていただきます。」
ローズマリーは部屋を出て準備に向かった。
「ローズマリー様、本当にあの場所へ連れて行くんですか?」
「えぇ、そうよ。」
ローズマリーは髪の毛をまとめながらアリアに返事をした。
「世間知らずの王子があの場所を……」
「世間知らずのバカ王子だから連れてくのよ。勉強ができても頭がお花畑なのは腹が立つの。」
ローズマリーは準備を整えたみたいで、行くわよとアリアに声をかけて部屋をあとにした。
アリアはローズマリーの後ろを追いかけた。




