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建国記念の日 当日。


国王、王妃、レオナルドは王都の街中をパレードすることになっていた。 


パレード後は、城のバルコニーで集まった国民達に挨拶をする。


その挨拶が終わると、国民たちは街に戻りお祭りを楽しみ、貴族達は城内でパーティーを楽しむ。


のだが、





「何故私が、ここにいる必要があるのですか?」


「まぁまぁ。今日のドレスも素敵だね!」


紅いジャケットを着たレオナルドはパレード用の馬車に乗っていて、隣には碧いドレス姿のローズマリーがいた。


ひとつ後ろの豪華な馬車には、国王と王妃が並んで座っていた。


これから、パレードが行われる。


ローズマリーが馬車から降りようとするが、レオナルドによって優しく抱きかかえられ、阻止されてしまった。


「ごめんね、ローズマリー。今日が最後になるかもしれないから…」


今日が最後という言葉に、ローズマリーの胸がチクリと傷んだ。


「…見世物みたいですわね。」


「ごめんね?でも、多くの人にローズマリーのこと知ってもらいたいんだ。社交界にあまり出ない。でも、俺を守って傷までついても、凛として前を向いているローズマリーはとっっってもかっこいいから、見せたくて仕方がないんだ!」


「私は、かっこよくありませんわ。」


レオナルドはクスリと笑った。


「大好きだよ、ローズマリー。」


レオナルドはローズマリーの手の甲に唇を落とした。


ローズマリーは最近、レオナルドが積極的なのと、こういったことはあまりされたことがないので、頬を紅く染め、反応に困っていた。


「…レオナルド様っ!」


「出会った時のローズマリーは何だか、嫌な奴ーって思ったけど、今のローズマリーはすごく可愛い!あーもー好きだよ。」


レオナルドのどストレートな言葉にローズマリーは何も言葉が出てこなかった。


ローズマリーが何か返さないと、と思っているうちに馬車がゆっくりと動き出し、城門が開いた。

城門の周りにはたくさんの国民がいて、空に向かって色とりどりの花びらを舞わせていた。


「あれが、レオナルド殿下?」


「じゃああの女性は…」


国民はレオナルドとローズマリーを凝視していたのも束の間で、すぐに満面の笑みになった。


「レオナルド殿下をお守りしたローズマリー様ね!」


「あの胸元の傷。間違いないよ。かっこいいなぁ!」


「ローズマリー様が次期王妃になってくれたらいいわよね。」


「身を呈して守るような人だもの、国も良い方向に導くはずよ!」



殆が賛美の声で埋め尽くされていた。

勿論、ローズマリーの耳にも入っている。

パレード中はローズマリーも手を振りながら、小さな声でありがとうとつぶやいていた。


自分が思っていたよりも、国民からは受け入れられていたので、ほっとした。


「ローズマリー。」


ローズマリーが呼ばれて振り向くと、レオナルドがローズマリーのおでこにチュッと唇を落とした。


「俺の我儘に付き合ってくれてありがとう。」


「あら?高く付きますわよ?」


ローズマリーは何とか平静を保ちながらレオナルドと会話した。


この楽しい時間が止まればいいのにと思う人の気持ちがわかったような気がした。






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