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あれから、毎日のように同じことが繰り返されていた。
リリエは、レオナルドにべったりとくっつき、レオナルドはそれから逃れようと色々試行錯誤を繰り返している。
「授業中でもベッタリですよ。イザベラ嬢以上のものがあります。皇女なのにはしたない、我儘が過ぎると貴族令嬢の間では嫌われてますよ。」
帰宅前のロックとフランクをローズマリーが引き止め、お茶をしながら話を聞いていた。
「レオナルド様はお昼休みは一般クラスに行く為に、色々な理由をつけたり、リリエ皇女が我儘を言っている隙に抜け出してます。」
「そう。やはり問題になりそうね。」
ローズマリーが頭を抱えた。
「令息達は、あわよくば皇女とお近づきに…勢が多いですね。更にそれが令嬢達の反感を買っていますね。皇女でもあんな我儘な皇女は俺は嫌ですけど。」
ロックはため息をつきながら空を見上げた。
「二人には迷惑をかけて申し訳ないわね。」
ローズマリーは、ロックとフランクに頭を下げた。
「よ、よしてください!ローズマリー様、顔を上げてください!」
フランクはワタワタとしていたが、ロックは冷静だった。
「本当ですよ。レオナルドと婚約破棄なんてしたら、あの皇女が婚約者候補になるでしょ?」
「え?」
フランクは何で?という顔をした。
「フランク、考えてもみろよ。ローズマリー様と婚約破棄したら、あの皇女が陛下に婚約の話を出す。カルディアス王国にとって、大国のファラージア皇国の皇女と結婚は悪い話じゃない。レオナルドが下手をうったとしても、ファラージア皇国が後ろ盾になる。」
「あー。」
「あの我儘皇女とレオナルドが結婚してみろよ、あの皇女のせいで国がなくなるだろうな。第2のイザベラ嬢だよ。まぁ、ファラージア皇国の領地になりそうだけど。」
ロックはそう言うとチラリとローズマリーの方を見た。
ローズマリーは表情を変えていなかったので、自分の考えは間違っていないと断言できる。
「リリエは悪い子ではないのだけれど……。度が過ぎるわね。」
ローズマリーの眼差しはきつくなっていた。
「ローズマリー様はレオナルド様のことどう思ってるんですか?」
フランクがいきなり突拍子もなく聞いてきた。
「あ、俺もそれを知りたいです!」
ロックもフランクに便乗した。
ローズマリーはにこりと微笑んだ。
「そんなに知りたいのですか?」
ロックとフランクは頷いた。
ローズマリーはクスリと笑った。
「ただし、条件がありますわ?」
ローズマリーの笑顔はとてもいいものだった。




