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昨日の夕食は今までで1番最悪だった…。
父上も母上も、ローズマリー嬢に夢中で俺の話なんて全く聞いてくれなくて…
もう、婚約披露パーティーの打ち合わせだなんて…
「……、…様、レオナルド様っ!」
「はっ!?」
「何ぼんやりしてるんですか?」
城の一室で、婚約披露パーティーの話し合いを進めていた。
予定では2ヶ月後にパーティーを開くことになった。
ドレスやアクセサリー、会場の飾りつけをどうするのか、食事も何にするかとか具体的な話までしている。
「父上!母上!」
「なんだ?」
「レオナルド、何かしら?」
国王と王妃は、レオナルドの方を向いた。
ローズマリーは、国王と王妃の方を見ている。
「ローズマリー嬢との婚約を考え直して欲しい!俺にはイザベラという恋人がいる。イザベラと結婚したいんだ!それに、ローズマリー嬢のことをよく知らないから、失礼だと思うし…それに…」
「却下だ。」
くどくどと理由が長くなりそうだと判断した国王はため息をつきながら、レオナルドの案を却下した。
「ローズマリー嬢だって好きでもない相手と婚約・結婚なんて不本意でしょう?お互いのことよく知らないし…不本意だろ?」
レオナルドはちらっとローズマリーの方を向いた。
ローズマリーは冷ややかな瞳でレオナルドをみていた。
「レオナルド様。貴族の結婚に恋愛感情は不要です。家同士の結び付きを強くするための結婚です。誰もが皆、相手のことを好いて結婚するわけではないのですよ。不本意でも致し方のないことです。」
ローズマリーは淡々と話続けた。
「失礼ながらレオナルド様は、ノワール男爵家令嬢イザベラさんに熱を上げ、高価な物をプレゼントしては自分の使用できる範囲の金額を越え、国王陛下に借金している始末。」
レオナルドはびくりと体を震わせたが、ローズマリーは更に続けた。
「貴族はもちろん、平民…国民のほとんどがこの事実を知っています。そして、国王陛下が崩御なされたとき、唯一の王太子である貴方が国王になり、その隣にイザベラさんがいては更に浪費が進み、税金があがり国民の生活がままならなくなるのでは?と思われてる国民がほとんどです。」
レオナルドは拳を握りしめぐっと何かをこらえていた。
「今まで、国王陛下が貴方の婚約者も決めずここまで自由にさせていたのも問題だとは思いますが、先を考えず、今の状況を理解してないレオナルド様の方がより問題です。何か言いたいことでも?」
レオナルドは恐る恐る口を開いた。
「どうしたら、婚約をなかったことにできる?」
国王と王妃は呆れ返っていた。
ただローズマリーは少し考えて…
「…そうですわね。2ヶ月後の婚約披露パーティーはまだ招待状も送っていないので、延期はできます。」
「じゃあ!」
レオナルドが喜んだのは束の間で、ローズマリーは話続けた。
「ですが、すでに婚約の手続きは済んでいますので、婚約者には変わりはないですし、現状では婚約破棄は国として承諾されません。ですので、半年後の建国記念パーティーまでにレオナルド様が次期国王として成長しているのであれば、私は婚約破棄しても構いません。」
「却下だ!」
国王は頑なに破棄は認めない態度をしていた。
ローズマリーは気にしず続けた。
「ただし、破棄にも条件があります」
「条件?」
「次期国王として資質がなければ建国記念パーティーで婚約を披露。資質があれば婚約破棄。それと、本日から休日は私の仕事に必ず同行。平日は次期国王としての資質を磨くこと。公式の場においては私をちゃんと婚約者として扱うこと。それを条件とします。」
ローズマリーは近くにあった紙とペンを拝借し、今自分が発言したことを紙に書いた。
「ローズマリーさん、考え直して?この国には貴女が王妃として必要なのよ?」
国王も王妃も断固として反対していた。
「私が、婚約を承諾した時の条件をお二人ともお忘れですか?」
そう、ローズマリーは婚約にあたって条件を出していた。
「私のやることに口を出さないこと。私がルール。何をしても不問。お約束してくれましたよね?」
ローズマリーは二人にたいして、とても冷やかな笑顔を向けた。
二人はばつが悪そうに黙った。
「本当に、本当だな!」
レオナルドは条件があっても破棄ができる可能性に大いに喜んだ。
「えぇ。ですが、まがりなりにも私は貴方の婚約者ですので、公式の場ではきちんとなさってください。では、パーティーは延期ということで。」
レオナルドは、嬉しさのあまりにガッツポーズをした。
そして、破棄のためにイザベラと一緒になるために頑張ろうと意欲がわいた。
「レオナルド様がちゃんと資質があれば、イザベラさんを抑えれるでしょうし。イザベラさんには王妃教育が必要ですわね。」
とローズマリーは王妃ににこりと話しかけた。
国王と王妃はただただ肩を落としていた。
お盆休みなので更新早めです。