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「…そういうことなのよ。」


王妃は何故自分があのような態度をとったのかを、レオナルドに説明をした。


「…公爵はまわりくどいことを。俺の気持ちは俺にしか分からないのだから」


レオナルドは、ため息しか出なかった。

ローズマリーに消えない傷があろうとなかろうと、ローズマリーのことが好きなのだからそんな小さなことは関係ない。

公爵はローズマリーの心配をしているのだろうけど、もう少し自分のことを信用して欲しいとも思った。


「レオナルド、公爵はローズマリーさんが可愛いから心配しているのは分かる?」


「分かるけど、これじゃ…」


王妃もため息をついた。


「…そうね。ローズマリーさんが心の底から幸せだと思う日は来るのかしら?」


「俺が幸せにする!」


レオナルドは勢い良く言ったが、王妃は冷たい目をしていた。


「…はぁ。レオナルドみたいなおバカな子の方が、ローズマリーさんにはいいのかもしれないわね。」


レオナルドを見ながら少し頭を抱え半ば呆れながら言った。


「ローズマリーが俺と一緒にいて楽しい!と思ってくれたらそれでいいけど。」


「それはそうだけど、ローズマリーさんは自分の幸せよりも、レオナルド…いえ、この国の幸せを一番に考える筈だわ。自分の気持ちは後回しにして。」


ローズマリーは国の為なら自ら犠牲になってでもいいと言うような令嬢。

今まで我慢してきたのだから、もう我慢はしなくてもいいのに…。


「後回しにできないほど、俺を好きになってもらえばいいんだな!」


何かを閃いたようにレオナルドは言ったが、王妃はまたため息をついた。


「時間はないわよ。今のままだと確実に婚約破棄。ローズマリーさんの性格上、その後も気持ちが変わることはないわ。」


レオナルドは、分かってると頷いた。


「まぁ、バカはバカなりに頑張りなさい。残りの期間はあと1ヶ月よ。」


王妃は手をひらひらとさせながら、レオナルドに背を向けた。








最初の、婚約話を持ちかけた時とは状況が変わった。


あの時は、ローズマリーもレオナルドが成長しなかったら、国のために結婚しただろう。


でも今は、未来の王妃に相応しくないと一部の貴族・国民の間で出ている以上、成長していようが、していなかろうが、国のために破棄をするだろう。


「公爵の策略に嵌められたようなものね。」


噂を流して、貴族の出方を見た。

案の定、傷があるようなものは相応しくないと。

公爵も自分の娘がレオナルドに嫌われる前にと、とった行動が…


「ローズマリーさんをひどく傷つけたわ…。」


王妃はひどく後悔していた。


「…レオナルド、頑張りなさい。」


王妃はそっと呟いた。








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