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パーティーが行われている大広間ではにぎやかな声ときらびやかな人達で溢れているが、城に仕える者たちは総動員でこのパーティーを支えている。
いつもよりバタバタと慌ただしく、誰がいなくなろうと、誰が増えようと気に求めないだろう。
「約束通り成功したら報酬をあげるわよ。」
ド派手なドレスを着たイザベラが、暗闇の中、服装はきっちりとしているが、がたいの良い男3人と話をしていた。
「あのお嬢様を誘拐して、あんたが例の場所に来るまで好きにしていいんだよな?」
「もちろんよ。」
男3人はニヤニヤと笑った。
その時、カツンとヒールの音が響いた。
「あら、イザベラさん。こんな暗闇の中のゲストルームで何していらっしゃるのかしら?」
ゲストルームは貴族が休憩場所として各々確保しているが、まさかイザベラまで確保しているとは……。
「な、なによ!ゲストルームを使っちゃ悪いの!?」
「いいえ。ただ、身なりはきちんとしていますが、その3人は招待客ではないでしょう?」
ローズマリーが男3人を鋭く見ると、男達はニヤリとした。
「美人だなぁ、本当に。」
「はやく実行しようぜ。」
「なぁなぁ、俺達と遊ぼうぜ?」
男の一人がローズマリーの肩に触れようとした瞬間、パシンと音がした。
「私に触るなんて、無礼ですわね。」
ローズマリーは持っていた扇子で男の手を跳ね除けたのだ。
「んだと?!このアマっっ!!」
男がローズマリーを押し倒そうと動き出そうとすると、ローズマリーの背後から男の鳩尾をめがけて脚が飛んできた。
見事に鳩尾にくらい、男は後ろにふっとばされた。
「ローズマリー様、大丈夫ですか?」
「アリア、腕は落ちていないようね。あと二人も拘束できるかしら?」
アリアはチラリと男2人に目をやる。
「お任せください。」
「んだと?!男に勝てるわけねぇだろ!」
男2人がアリアめがけて飛び込んできたが、あっという間にふたりを投げ飛ばし、3人とも拘束した。
「あ、言い忘れてましたわ。アリアは隣国の特殊部隊に所属していましたので、これぐらい容易いですわ。」
イザベラはジリジリと後ろに下がる。
「なんなのよ、あんたはっ!どれだけ私の邪魔をすれば気が済むのよっ!!」
イザベラは自分のドレスをめくりあげ、隠していたナイフを両手に持ち、刃先をローズマリーに向けた。
「そんな物騒な物、早く捨てなさい。」
ローズマリーはイザベラとの距離を少しずつ縮める。
「来ないでよ!本当に刺すわよ!」
アリアはイザベラがどう出るのか、イザベラの動きを見ている。
「刺せるものなら刺しなさい。」
ローズマリーはイザベラの両手首をがっしりつかみ、ナイフの刃先をローズマリー自身の胸に向けさせ、今すぐにでも胸を突き刺すような形になった。
「……っっ!!」
「どうしたの?早く刺しなさい。」
ローズマリーがそう言うと同時に、ゲストルームの扉が勢いよく開いた。




