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ローズマリーとレオナルドが婚約してから4ヶ月が過ぎた。
イザベラとは平行線のままだ。
「あと2ヶ月ね…」
ローズマリーは、今夜開かれる王家主催の夜会に参加するため、お城に来ていた。
レオナルドの婚約者なので、この夜会ではちゃんと婚約者としての務めを果たす予定だ。
客間で、アリアと城の使用人たちがローズマリーの支度を手伝っている。
ただ一つ気がかりなのが、イザベラの行動た。
ジャックとは話し合ってから、ジャックは前にも増して仕事を忠実にこなし、イザベラとは接触していないようだ。
イザベラが何も動いていないのが気味が悪い。
「どちらかと言ったら、後先考えずに行動するタイプですのに……」
ぶつぶつと考えていると、客間の扉をノックする音が聞こえた。
「どうぞ。」
扉が開いたらレオナルドがいた。
「ローズマリー!」
満面の笑顔でレオナルドはローズマリーの側に来た。
「可愛い!ドレスも似合ってて可愛い!」
ローズマリーの瞳の色と同じ紅いドレスは、ローズマリーの白い肌によく映えとても似合っている。
フリルも少なくシンプルなのだが、ローズマリーに似合いすぎているため、シンプルなのだが華やかだ。
髪も編み込んでまとめてアップにし、控えめな真珠の髪飾りがとても美しい。
「ありがとうございます。ですが、21歳の女性に可愛いは……」
「ローズマリーはいつも綺麗だけど、今日はとても可愛い!」
レオナルドの真っ直ぐな素直な感想に、ローズマリーは少しだけ頬を赤く染めた。
「…ありがとうございます。」
レオナルドは手を差し出して、ローズマリーは差し出された手に自分の手を重ねる。
「ローズマリーの婚約者になれてよかったと思ってる。今まで見えていなかったものも見えるようになったし、ありがとう。」
レオナルドは、ローズマリーに笑顔を向けたた。
「いえ、私はただレオナルド様を振り回しただけですわ。見えていなかったものが見えるようになったのは、レオナルド様が見たいと思うようになったからです。」
「イザベラと一緒にいた頃は、自分だけのことしか考えていなかったから…」
「レオナルド様が成長されたからですよ?」
レオナルドはすごく嬉しそうに笑った。
その笑顔はとてもキラキラしていて、ローズマリーは目を奪われてしまった。
「ローズマリー、ありがとう!」
その言葉と笑顔にローズマリーの胸が少しだけ跳ねた。
「…いえ、私は何も。」
ぎゅっと握られている手が段々と汗ばんできたような気がしてきて、ローズマリーはなんとか平静さを保とうとした。
だが少しだけ赤く染まったローズマリーの頬をレオナルドは見逃さなかった。
レオナルドはクスリと笑い、城の大広間へとローズマリーと向かった。




