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あまり公にしていなかったレオナルドとローズマリーの婚約。
知らない貴族がほとんどだったため、レオナルドがローズマリーをエスコートしたことにより、イザベラと破局、新恋人はローズマリー?と噂になっている。
「婚約していることが周知されるのは時間の問題ね。」
「俺は嬉しいぞ!」
「破棄するつもりですわよ?」
「え?」
穏やかな陽気の昼下がり。
学園の食堂のいつもの場所で、レオナルド、ロック、フランク、ローズマリーが昼食をとっていた。
ローズマリーの席はいつもイザベラが座っていたのだが、当たり前のようにローズマリーが座っていて、他の生徒はざわついていた。
先程のやり取りを何回か繰り返してる。
周りからはバカップル?と思われているが、ローズマリーはそんなつもりは全くない。
「二人のやり取りを聞いてるだけでは、ただのバカップルですよ。」
ロックが突っ込むとレオナルドは何故か嬉しそうな表情をして、ローズマリーは嫌そうな表情をする。
「ローズマリー様、レオナルド様のどこがお嫌なんですか?」
フランクはレオナルドをなぜ嫌がるのか、わかってない。
「フランク様、貴方本気で言ってらっしゃるの?貴方のお祖父様はとても素晴らしい方でいらしたのに…。貴方もお祖父様のように騎士団長を目指しているのなら、広い視野が必要よ。」
そう、フランクの祖父は、7年前にお世話になった騎士団長…オーウェンス伯爵で団長職からは退いたが、若い騎士団の育成に励んでいる。
「そもそも、何でローズマリー様がここにいらっしゃるんですか?」
ロックがため息混じりに聞いた。
「あら、貴方のお父様であるフェルト学長に、久しぶりに学園で食事をいただいたらどうですか?と言われたので、食事をしていますわ。昔と変わらず美味しいわ。」
ロックの父親はこの学園の学長のフェルト侯爵。
「俺は嬉しいぞ!」
ニコニコとローズマリーを見るレオナルド。その二人を少し離れたところから睨むようにイザベラがずっと見ている。
「イザベラさんが、ずっとこちらを見てますわね。」
「ローズマリー様がいるからですよ。」
ロックは背中越しにイザベラの殺気立った視線にうんざりしている。
「ロック様、あまり苛立つと物事の判断が鈍りますわよ?貴方は賢いんですから、今後レオナルド様のストッパー役を担っていかないといけませんわ。」
「貴女がレオナルドのストッパーになればいいのでは?」
ローズマリーはニコリと笑った。
「婚約破棄の約束は守るつもりですわよ?レオナルド様がしっかりしていたら、お相手の方がどんな方であれ、大丈夫だと思いますわ。もし間違っていたら、ロック様がストッパーとして機能すれば良いのです。」
ロックは苦笑した。
「俺が間違っていたらどうするんです?」
ローズマリーはまたニコリと笑った。
「賢くて慎重な貴方は、間違いをおかさないと思うわ。もし、万が一間違えていたら、私が貴族代表として物申しますわ。」
ロックはここまで自分のことを見ていることに脱帽した。
「ロック、よろしくな!」
レオナルドが分かってるのか分かってないのか分からないがロックに笑顔を向けた。
そこからの時間は、4人がワイワイと将来について話をした。ローズマリーはほとんど聞き役だったが。
ロックもフランクもローズマリーとレオナルドはお似合いじゃないのか?と思い始めてきた。
それは周りにいた生徒もそう思っていたが、唯一人だけ納得をしていない人物がいた……。




