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「ローズマリー嬢、気をつけて?」
ブルース侯爵に連れられて鉱山の中に入った。
山の中にはいくつもの洞窟があった。
「この洞窟の中に鉱物が埋まっているのですね。一つの洞窟あたりに何名が契約してるんですか?」
ブルース侯爵は首をかしげた。
「さぁ、何名だろうね?」
ブルース侯爵は笑いながら答えた。
「え?」
もしかして、把握していない?
一つ一つの洞窟はほとんどが同じような地形の場所に、同じような洞窟が掘られている。
ローズマリーは洞窟の周辺をうろうろとして、地形を把握しようとしたついでに中を覗こうとしたら
「中は危ないから、外を案内するよ。」
そうブルース侯爵がローズマリーを促していると、一人誰かが出てきて、何やら叫んでいた。
「くそっっ!何も出ねーじゃねぇか!大金はたいたのに…くそっっ!」
大柄の男が泥と土まみれになりながら、採掘に使っであろう道具を投げ捨てていた。
「…侯爵、あの方が仰っているのは、本当ですか?」
ブルース侯爵は顔色も変えずローズマリーと視線を合わせた。
「運が悪かっただけですよ。」
ブルース侯爵はそう言うと鉱山周辺を案内した。
鉱山周辺には採掘が終えたもの、これから入るものがいたが終えたものは皆、肩を落としていた。
この様子を見たら誰もがわかる。
運が悪いとかではない。
何人かに話を聞かないといけないが、ブルース侯爵の目がある為勝手なことができない……だが…
「ブルース侯爵、あの方々はなぜか肩を落としているのでしょう?」
「さぁ?一体何ででしょうねぇ?」
ブルース侯爵はニコニコするだけだった。
「顧客リストがあれば見せていただきたいのですが。」
「屋敷に戻ったら顧客リストの写しを差し上げますよ?見ても何も出てきませんからね。」
ブルース侯爵はニヤリと笑った。
ローズマリーが何か探ってるのを分かっていて、何も出来ないと踏んでいるのだった。
侯爵邸に戻ると、ブルース侯爵からリストと採掘の資料を貰った。資料はもう使っていない物らしい。
ルイに会いに行ったが、ルイの部屋に姿はなかったが、待たせてもらう間にリストに目を通した。
「……まともなリストだけれど。」
場所代の毎月の貸出料が高いのは分かるが…借りているのがほとんど平民。貴族でも子爵や男爵など爵位が低い人たちがこぞって借りていて…一部伯爵がいるけど…
「この貸出料じゃ何も採れなかったら詐欺だと言われても仕方がないわ。」
平民の一ヶ月の給料分以上の金額もするなんて…。
平民の人達はどこでお金を用意してるのか…。
まさか、違法な金貸屋とかかしら?
「他に何か採掘の資料がないかしら…。」
資料をパラパラめくっていると、矛盾点があった。
「何これ…。あの洞窟は何も出ない洞窟なの…。」
資料には、先程見物した洞窟の資料があり、10年前に閉ざされた採掘場所で、先代のブルース侯爵が閉ざしたと書かれていた。資料だけみると、どこの洞窟かわからないが、案内された時に地形を把握したから分かったことだ。
貸出してる洞窟は別の洞窟の資料があてがわれていて、そこには貸出採掘場と記載されている。が、地形が少し違う。
行った人間で更に地形まで把握した人にしか分からないぐらい些細なことだけど…。
「…見つけたわ。」
あとは、お父様にこれを持ってお父様に報告するだけだわ。
ローズマリーはルイが戻ってくるのを待った。




