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02

更新遅めで申し訳ないです。


王宮内の一室では、ワイワイと楽しそうな声がしていた。

そこには、一組の男女がいて他に人は見当たらない。


「レオ様、こちらのお菓子も美味しいですよ?召し上がりますか?」


テーブルには色とりどりのお菓子が並べられ、ソファには金髪碧眼の容姿端麗な王子レオナルドと貴族令嬢らしき少女がくつろぎながらお菓子を食べていた。


レオナルドに食べかけのお菓子を差し出した貴族らしき少女…。


差し出された食べかけのお菓子をレオナルドが食べようとした瞬間に部屋の扉が勢いよく開いた。


「はしたないですわよ?レオナルド様。それに…イザベラさん。」


扉にもたれかかるように立っている、白金の腰まである真っ直ぐな長い髪、真紅の瞳、白い肌。

息を呑むような美しい姿…だが、レオナルドは知っていた。


見かけはいいが、いろんな意味ですごい令嬢、


ローズマリー・クロフォードだと。


ローズマリーはあまりお茶会や夜会やパーティーに出席をしない。

主賓が貴族として信用のおける人物の時のみ出席をする。

その為、ほぼ出席をしていない。


「ローズマリー嬢、貴女もはしたないですよ?いきなり入ってくるなんて。」


レオナルドは立ち上がり、ローズマリーを外に追いやろうとした。


「あら、何度もノック致しましたわ。あまりにもお返事が遅いので、待ちくたびれて扉を開けてしまいましたの。」


ローズマリーは口許を扇子で隠していたが、笑っていないことは誰でもがわかる。


「何の用ですか?父と母なら、何処かにいるでしょう?」


「国王陛下と王妃様の用は済みましたわ。私は今日から、レオナルド様の婚約者になりました。ですので、そこにいらしている、ノワール男爵家のイザベラさんとお別れしてくださいね?」


ローズマリーは更ににっこりして、口許を隠していた扇子をパチンと閉めた。


「えっ?!」


「父と母が?!」


ローズマリーはにこりと微笑んだ。


「えぇ、もちろんですわ。」


レオナルドは信じられないと言うような顔でローズマリーをみていた。


「近々正式に婚約披露パーティーを行いますわ。もちろん、そこにいらっしゃる、場を弁えない、手入れのいきとどいていない茶色い髪をおもちのイザベラさんもご招待致しますわ。」


ローズマリーは終始微笑み、

レオナルドはただだ唖然としていた。


5歳も年齢が離れているローズマリーと婚約だなんて夢にも思っていなかった。



だが、レオナルドよりもイザベラが信じられないと言う顔をしていた。


「レオ様の恋人は私なんですよ!なんで、私が婚約者じゃなくて、何故貴女なんですか…酷い…」


イザベラはショックを隠しきれない様子で、レオナルドはイザベラの傍に寄り添おうとした。


「酷いのは貴女よ。」


ローズマリーはカツカツとパンプスのヒールの音を鳴らし、ショックでソファに座っているイザベラの前に止まった瞬間、


バシッと乾いた音が鳴った。


「ぃたっ……。何するんですか?!」


イザベラは自分の右頬を抑えていた。


そう、ローズマリーは自分の持っていた扇子でイザベラの頬をはたいたのだ。



「口を慎みなさい。」


その声はとても低く冷たいものだった。


イザベラを見る紅い瞳もとても冷たく、背筋がゾクッと震えた。


レオナルドはローズマリーの気迫におされて何もできないでいた。


「例え貴女がレオナルド様の恋人でも、貴女は婚約者にはなれていないのよ?国王陛下ならびに王妃様は、レオナルド様の婚約者…将来の王妃に相応しいのは私と判断して婚約者に、とお願いされたの。年齢や感情より、国の将来も含め私を婚約者として選んだのよ。貴女は認められなかったの。レオナルド様は他の貴族と違うわ。王族なのよ?解っているのかしら?貴女のせいで、レオナルド様の評判も下がっているのよ?身に覚えがないとは言わせませんわよ?」


ローズマリーは、イザベラの右頬を扇子で撫でながら淡々と話をした。


「おわかり?」


ローズマリーは微笑んだが、目だけは全く笑っていなかった。


「ローズマリー嬢、話がある。」


レオナルドはローズマリーとイザベラね間に割って入った。


「あら、奇遇ですわね。私もレオナルド様とお話ししたいと思っていたのですよ?」


先程の冷たい表情とは違い、レオナルドに向けたのは穏やかな表情だった。


「イザベラ、申し訳ないが今日は帰ってくれるかな?頬を冷やすものも用意する。ハワード、イザベラを送ってくれ。」


部屋の外で待機していた30代ぐらいであろうか、執事・ハワードがお辞儀をしてイザベラを帰宅するように促した。

イザベラはレオナルドの腕にしがみついた。


「みっともないですわね…。聞き分けのない子どもですわね。あぁ、子どもでしたわね。」


「ローズマリー嬢!イザベラ、また日を改めて誘うよ。」


レオナルドはイザベラの頭をポンポンと撫でた。


「…わかりましたわ。レオ様、約束ですよ?失礼致します…。」


イザベラはハワードと一緒に部屋を出た。


部屋にはレオナルドとローズマリーの二人のみ…。

メイドたちもいない。


「早速、お話をいたしましょう?レオナルド様」


ローズマリーの笑顔はとても美しいが先ほどとは違って冷たいものでもあった…。

誤字脱字あったら、ごめんなさい。

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