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レオナルドの告白から数週間が過ぎた。
あれから何も言ってこないのと、レオナルドかいつも通りなのでローズマリーもいつも通りに過ごしていた。
だが、王都にいると分かると、時間が空いたときに王都のローズマリー邸に押しかけるようになった。
「ローズマリー!お茶にしないか?」
ローズマリーが執務室で仕事をしていると勢いよくレオナルドが入ってきた。
そう、遠慮もしずにズカズカと。
「国王教育はどうなさったんですか?」
ローズマリーはレオナルドの方に見ずに、手元にある書類を見ながら質問だけをした。
「ローズマリーとお茶したら城に戻る!」
最近はこんな感じで、許可もしていないのに名前を呼び捨てで呼ぶようになった。
「そこにある資料とってもらえますか?」
レオナルドが座った所のテーブルに資料の束が置いてあった。
「これ、全部?」
「そうです。」
「お茶したら渡す!」
「いいです。私が取りに行きます。」
ローズマリーはレオナルドがいるところまでいくと不意にレオナルドがローズマリーの手を掴んだ。
「ローズマリー、はいはい座って。お茶にしよう!寝てないんだろ?アリア!」
「レオナルド様、お待たせしました。」
レオナルドがアリアを呼ぶとちょうどお茶とお茶菓子を持って入ってきた。
「アリア。貴女は私の使用人じゃなくて?」
「はい。私のご主人様はローズマリー様ですか、そのローズマリー様がほとんど休まず目の下に隈ができているので、休んでいただきたいのですよ?レオナルド様も同じお考えです。」
アリアはすっとハーブティーをローズマリーに差し出した。
「…アリア。」
「ローズマリー、休息の時間は必要だよ。俺が来ないとぶっ続けで仕事してるって聞いたから、こうでもしないと休まないだろ?」
ローズマリーは今までもずっとほとんど休まずに仕事をしてきた。
レオナルドが来ると必然的に相手をしなくてはいけないので、その時間はお茶をしていた。確かに休息時間になってはいた。
「…そうですわね。アリア、ありがとう。」
アリアはその言葉を聞いて微笑んだ。
「レオナルド様もありがとうございます。」
レオナルドは、嬉しそうに笑った。
レオナルドの笑顔は周りを明るくしてくれるような笑顔だった…。
レオナルドは着実と人として成長してきている。
きっとこのままなら、次期国王として大丈夫だろう…とローズマリーは思い始めた。
「ローズマリー様、失礼します。」
「セバスチャン、どうしたの?」
「クロフォード公爵と公爵夫人がこちらに来ましたが、如何が致しましょうか?」
ローズマリーは眉をひそめた。
「…公爵と公爵夫人だけ?」
「はい。」
ローズマリーは少し考えた。
「応接室にお通しして。すぐ行くわ。」
セバスチャンはお辞儀をして、ローズマリーの執務室をあとにした。
「レオナルド様、今から公爵と公爵夫人とお話をして来ますので、帰っていただいても大丈夫ですから。失礼しますね。」
ローズマリーはあとはアリアによろしくとだけ伝えて応接間に向かった。
「自分の父親と母親なのに、何か他人行儀だな。」
レオナルドが不思議そうにアリアを見た。
「色々ありましたから…」
アリアは目を伏せた…。




