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学園内にある庭園で一組の男女が散歩をしていた。

その姿をよくみると、レオナルドとイザベラだった。




「イザベラ、別れよう。」


「レオ様、どういうことですか?」


イザベラは突然の別れの言葉に動揺していた。

あれだけすきだと、あれだけ結婚したいと言われていたのだから無理もない。


「…ごめん。」


イザベラは泣いているのだろうか?とチラリとイザベラを見ると俯向いてはいるが、泣いている気配はなかった。

ただその姿がとても不気味に思えた。


「…イザベラ?」


「…嫌です。別れません。ローズマリー様ですか?」


「え?」


「ローズマリー様の方がいいんですか?」


大きな薄い緑色の瞳は真っ直ぐとレオナルドの方を見ていた。

ローズマリーの方がいいのか?と聞かれたが、


「……ごめん。」


その言葉しか出なかった。


「別れるつもりはありません。あんなに結婚しようと言ってきて、ドレスやアクセサリーだって我慢したのに、欲しいものも我慢したのに…納得がいかないです。」


そう、イザベラの楽して贅沢!ができなくなるので絶対に別れるわけにはいかない。

ローズマリーが婚約者だろうと関係ない。

王妃になれればいいのだから。


レオナルドはただ、ごめんと呟くだけ。


「私の、別れるつもりはありません!」


「イザベラには悪いと思っている…。ローズマリー嬢は国が決めた俺の婚約者たがら……」


「破棄するつもりでしょう?その為に私は色々我慢しました!」


イザベラはどんどんとヒステリックになっていく。


「…ごめん。破棄はしたくないんだ。」


その言葉でイザベラはカッと頭に血が上った。


「私は別れません!レオ様の恋人なんです!」


「ごめん。」


レオナルドはただただ謝るしかなかった。


「話にならないですね。失礼します!」


イザベラは、レオナルドに背を向けて足早に校舎に向かった。

レオナルドは、イザベラを止めることなくイザベラの後ろ姿を見つめていた。


「結婚したいって言ったのは、俺の方からだからな…。」


ローズマリーと一緒に過ごすことがなければ、きっとイザベラのことを好きだと思ったままだったと思う。

平手打ちされてもバカ王子と言われても、ローズマリーと一緒に過ごしたらローズマリーの魅力に気が付かないわけがない。


貴族には厳しいけれど、あんなに優しい令嬢は彼女以外にいない。


「簡単にはいかないよな…」


レオナルドも、校舎に向かって歩き出した。

足取りはかなり重たかった。











「なんなの、なんなの、なんなのよっ!」


家に帰ったイザベラは、制服をベッドに投げ捨てた。

使用人は無表情でそれを片付けていく。


「まさか、あのクソ女を好きになるとは思わなかったわ。私の方が可愛いのに。あの女より私のほうが劣るなんてあり得ないわ。」


「なに、あんた、振られたの?」


「ママ!また勝手に入ってこないでよっ!」


イザベラの母親がイザベラの姿を見て笑っていた。


「たから言ったでしょ?伯爵家あたりにしないから。」


「うるさいわねっ!」


イザベラは母親に敵意を向けた。


「あの女さえいなければ、私は王妃だったの!あのクソ女さえいなければ…」


イザベラはぶつぶつと何かを考え始めた。


「ローズマリー様でしょ?あんたにはかないっこないわよ。完璧な令嬢よ。やめときなさい。変な考えはやめなさい。」


イザベラの母親は自分の娘が変な考えを起こさないように牽制したが、


「変な考えじゃないわよ。私が幸せになる考えよ。」


「勝手にしなさい。ただし、私と旦那様には迷惑をかけないでちょうだい。」


それだけを言うと、イザベラの部屋から出ていった。


イザベラはペンと紙を取り出して手紙を書き始めた…。









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