表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/75

16








私はどうしてここにいるのかしら?


城内の中の、数々の花が咲いている庭園で、

目の前には色とりどりのお菓子と良い香りのする紅茶に、ニヤニヤ顔のバカ王子…。




城での貴族会議に出席後、バカ王子が現れて『相談がある』と言われて付いてきたら…


「ローズマリー嬢、このお菓子も美味しいぞ!」


などと言うバカ王子がいらっしゃる。


「一体どうなさったんてすか?今日は平日ですよ。」


「知ってる。勉強も一段落ついたので、ローズマリー嬢とお茶をしたかったんだ!それに、いつも忙しそうだから少しでも休んでほしくて…」


心配そうな顔をレオナルドがするので、ローズマリーも仕方がないわね、と言うような顔で、紅茶を一口飲んだ。


「心遣いは大変感謝致します。そうですわね、たまにはこういう時間があっても良いですわね。」


ローズマリーは目の前にある宝石のようなお菓子を頂いた。


「それ、美味しいだろ?俺も好きでよく作ってもらうんだ。見た目は宝石のように美しいけど、なんだか優しい味のするお菓子なんだ。琥珀糖って言うらしいよ。東の国のお菓子なんだ。」


ローズマリーは味わうように琥珀糖を食べた。


「えぇ、とても優しい味がしますね。」


ローズマリーはにこりとレオナルドに微笑みかけた。


レオナルドもつられてローズマリーに微笑んだ。


「ですが、時間が空いたのなら、愛しのイザベラさんと過ごしたら如何ですか?」


ローズマリーが紅茶を飲みながら、レオナルドに問いかけた。


「ローズマリー嬢と過ごしたいんだ!だって俺達、婚約者だろ?お互いのことを知らないとなっ!」


「婚約破棄するつもりですわよね?イザベラさんと過ごし、イザベラさんに淑女らしく手解きをされては如何ですか?」


ローズマリーがちらりとレオナルドを見ると、真面目な表情になっていた。


「…イザベラとは別れる。彼女は王妃の器じゃない。学園の規則を守らないとは思わなかった。」


「…そう思っても当然ですわね。貴方は良い方に成長していますから。」


レオナルドはローズマリーをまっすぐ見つめた。


「ローズマリー嬢!俺は貴女のことが好きだ!だから、婚約破棄はなかったことにして結婚してほしい!」


言った本人のレオナルドの顔が紅くなるのに、ローズマリーの顔は無表情だった。


「イザベラさんとお別れしていないのに、よく告白できましたね?そういった台詞は、ちゃんとお別れしてから言うものですよ、バカ王子。」


ローズマリーの紅い瞳が段々と冷たくなっていくのがレオナルドでもわかった。

先程までは穏やかな時間を過ごしていたのにも関わらず…。


「ちゃんとイザベラとは別れる。だから…」


「では、きちんとお別れをしてきてください。話はそれからです。」


ローズマリーが席を立ち庭園から出ようとするところを、

レオナルドがローズマリーを後ろから包み込むように抱きしめた。


「…レオナルド様、お離し下さい。」


「…やだ。話を聞いてくれ。」


レオナルドは少し強く抱きしめた。


「話を聞くのはイザベラさんとお別れしてからです。離しなさい。」


ローズマリーの冷たい声に、レオナルドは思わず力を緩めてしまい、ローズマリーはレオナルドの腕から逃れた。


そして、そのままレオナルドの方を振り返らずに庭園をあとにした…。








ローズマリーは庭園から少し離れたところで立ち止まり壁にもたれた。


「…あのバカ王子は。」


レオナルドの性根を叩き、王子として成長させるだけ、

最後には婚約破棄をする算段だったが、

まさか好意を持たれるとは計算外だった。


とても深いため息をついた。






私が琥珀糖を食べたいだけです。ごめんなさい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ