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私はどうしてここにいるのかしら?
城内の中の、数々の花が咲いている庭園で、
目の前には色とりどりのお菓子と良い香りのする紅茶に、ニヤニヤ顔のバカ王子…。
城での貴族会議に出席後、バカ王子が現れて『相談がある』と言われて付いてきたら…
「ローズマリー嬢、このお菓子も美味しいぞ!」
などと言うバカ王子がいらっしゃる。
「一体どうなさったんてすか?今日は平日ですよ。」
「知ってる。勉強も一段落ついたので、ローズマリー嬢とお茶をしたかったんだ!それに、いつも忙しそうだから少しでも休んでほしくて…」
心配そうな顔をレオナルドがするので、ローズマリーも仕方がないわね、と言うような顔で、紅茶を一口飲んだ。
「心遣いは大変感謝致します。そうですわね、たまにはこういう時間があっても良いですわね。」
ローズマリーは目の前にある宝石のようなお菓子を頂いた。
「それ、美味しいだろ?俺も好きでよく作ってもらうんだ。見た目は宝石のように美しいけど、なんだか優しい味のするお菓子なんだ。琥珀糖って言うらしいよ。東の国のお菓子なんだ。」
ローズマリーは味わうように琥珀糖を食べた。
「えぇ、とても優しい味がしますね。」
ローズマリーはにこりとレオナルドに微笑みかけた。
レオナルドもつられてローズマリーに微笑んだ。
「ですが、時間が空いたのなら、愛しのイザベラさんと過ごしたら如何ですか?」
ローズマリーが紅茶を飲みながら、レオナルドに問いかけた。
「ローズマリー嬢と過ごしたいんだ!だって俺達、婚約者だろ?お互いのことを知らないとなっ!」
「婚約破棄するつもりですわよね?イザベラさんと過ごし、イザベラさんに淑女らしく手解きをされては如何ですか?」
ローズマリーがちらりとレオナルドを見ると、真面目な表情になっていた。
「…イザベラとは別れる。彼女は王妃の器じゃない。学園の規則を守らないとは思わなかった。」
「…そう思っても当然ですわね。貴方は良い方に成長していますから。」
レオナルドはローズマリーをまっすぐ見つめた。
「ローズマリー嬢!俺は貴女のことが好きだ!だから、婚約破棄はなかったことにして結婚してほしい!」
言った本人のレオナルドの顔が紅くなるのに、ローズマリーの顔は無表情だった。
「イザベラさんとお別れしていないのに、よく告白できましたね?そういった台詞は、ちゃんとお別れしてから言うものですよ、バカ王子。」
ローズマリーの紅い瞳が段々と冷たくなっていくのがレオナルドでもわかった。
先程までは穏やかな時間を過ごしていたのにも関わらず…。
「ちゃんとイザベラとは別れる。だから…」
「では、きちんとお別れをしてきてください。話はそれからです。」
ローズマリーが席を立ち庭園から出ようとするところを、
レオナルドがローズマリーを後ろから包み込むように抱きしめた。
「…レオナルド様、お離し下さい。」
「…やだ。話を聞いてくれ。」
レオナルドは少し強く抱きしめた。
「話を聞くのはイザベラさんとお別れしてからです。離しなさい。」
ローズマリーの冷たい声に、レオナルドは思わず力を緩めてしまい、ローズマリーはレオナルドの腕から逃れた。
そして、そのままレオナルドの方を振り返らずに庭園をあとにした…。
ローズマリーは庭園から少し離れたところで立ち止まり壁にもたれた。
「…あのバカ王子は。」
レオナルドの性根を叩き、王子として成長させるだけ、
最後には婚約破棄をする算段だったが、
まさか好意を持たれるとは計算外だった。
とても深いため息をついた。
私が琥珀糖を食べたいだけです。ごめんなさい!




