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━━7年前の表の事件



表の事件は、

鉱物や天然石が採れることを利用して、貴族や商人、平民にまで

『採ったものを売れば金になる。ただし、場所代は貰う。』

その場所代が高かったが鉱物や天然石の方が価値が高く、高値で売れるので利益は出ると言われ、こぞって皆借りたが、

採れるものはただの石ころばかり…


その場所は採り尽くしてなにもでない場所だった。


その詐欺を働いていた前領主を含め数人の貴族は国外追放となった。


そしてもうひとつの、

7年前の裏の事件


「裏の事件、それは孤児の子ども達の人身売買ですわ。当時の孤児院の院長と領主が結託して行われました。国としては人身売買は隠しておきたいですから。領主と院長は国外追放となってはいますが、秘密裏に処刑されました。表の事件を調べていたら人身売買してることが解ったので、それ相応の対応をさせていただきました。表の事件は、聞かされている通りです。」


レオナルドはこの国で人身売買が行われていたことに、衝撃を受けた。

多少の問題はあるが、平和で善良な国だと、ずっとそう思っていたのだから……。






「まぁ、こちらが…。」


ローズマリーは孤児院の院長にレオナルドが王子であることを話し、王子であることを院にいる皆に伏せて欲しいとお願いしていた。


「では、何とお呼びしたら良いでしょうか?」


と院長に言われて、


「…レオンとお呼びください。いいですわよね?」


レオナルドは頷いた。


「院長、足りないものはありますか?」


ローズマリーは書類に目を通し、何が必要かを考えていた。


「院長、建物の点検を行います。新しく建て直して5年。大丈夫だとは思いますが、早めに不具合があれば少し直すだけで済みますので。」


「ありがとうございます。」


院長はローズマリーに深々と頭を下げた。


「あの…」


「バカ王子、何ですか?」


レオナルドはバカ王子と言われることに慣れてきたが自分の疑問を投げ掛けた。


「ローズマリー嬢は、この孤児院にとってどういう存在なんですか?」


ローズマリーは真顔のままで、院長が穏やかな笑みを浮かべながら、レオナルドに話だした。


「…孤児院の人身売買についてご存じですか?」


「…はい。」


先程、ローズマリーに聞いたとは言えない。


「当時、私は孤児院で働いていました……。」


院長は懺悔をするかのように、レオナルドに話した。


人身売買には薄々気付いていたが、当時の院長と領主に意見を言えば、自分ではなく子どもたちが虐げられるのが解っていたから、何もできなかった。

できることは、売られた子達の行き先をメモに残すことだけだった。


そして、7年前の事件が元に人身売買が発覚し、子どもたちの行き先のメモをローズマリーに渡したところ、2年で全ての子達が返ってきたこと。

売られた子達は全員、奴隷として扱われていたこと…。


「そして、ローズマリー様がここの領主になり、孤児院もローズマリー様の管理下になりました。実質の院長はローズマリー様です。子どもたちが不自由なく暮らせるのはローズマリー様のおかげ…。お礼として月に1度、子どもたちがローズマリー様のために夕食を作り振る舞うことになったのです。」




夕食には孤児院の子どもたち20人程いて、皆がローズマリーの近くに来て話したり、夕食を食べながら笑いあっていた。


夕食も普段食べているような食事ではなく、平民が一般的に食べるような食事だった。


けれど…


「…おいしい」


「レオン、当たり前だろ?俺たちがローズマリー姉ちゃんの為に作ったんだから!」


子どもたちがどうだ!と言わんばかりの顔をしていた。


ローズマリーは終始穏やかに笑っていた……



レオナルドは、国のことをわかっているようでわかっていなかった。


イザベラではなく、ローズマリーが婚約者になったのも少しだけわかる気がする…




自分が王子としての資質を備えたところで、イザベラが同じように考えていなかったらどうなるのか……


「イザベラはこの国をどう思ってるんだろう…。」



その呟きをローズマリーは聞き逃さなかった…。









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