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この眼鏡をかけると? その人の“本性”が見えるメガネ。

作者: 七瀬




___僕はいつも通る道を何時もの時間に歩いていた。

すると? たまたま携帯を見ながら歩いていたので、

ふと視界に、地面に何か落ちているのが目に入った。


『___なんだろう? この不思議な色の眼鏡は?』



今まで、僕の短い人生の中で見たこともない眼鏡を見つけたんだ!

誰が落としたのか? こんな不思議な色の眼鏡? 落とし主がいる

はずだろうが、それまで! 僕が少しだけ借りてかけてみようと思った。



僕の視力は、両目とも2.0。

目が悪い訳じゃない! ただ、この眼鏡をかけたかっただけ。

僕は早速、眼鏡をかけてみる!


『・・・うん? なんだ、この違和感は?』



・・・不思議な感覚、違和感しかない!!!

もちろん、ちゃんと見えているよ!

だけど? 度が入っている訳じゃなさそうだし!

2.0の僕の目でも、ピントが合っている。


___一体!? 何の為の、眼鏡なのかな?




 *



そこに、僕の前から40代後半ぐらいの冴えない中年男性が

僕の横を通り過ぎようしていた。

僕はこの眼鏡をかけたまま、その男性を見ると、、、?


『なんだ? 若くて綺麗な女性が5人、生地が少ない薄手の服を着て

急に煙のように出てきた! この中年男性の周りを囲みながら、一人

の女性が僕の方を見つめてきた!』




・・・どういうことなのだろう?

ひょっとして? あの男性の “願望が見えているのか?”

い、いや? そうかもしれない! だって! あんな冴えない中年男性

に、あんなに綺麗で若い女性が自らくっついていく訳がないじゃないか!!!




 *



次に僕の前から来たのは、、、若い男性だった。

僕とほとんど歳が変わらないぐらいの男性。


僕はこの眼鏡をかけたまま、その若い男性を見てみると、、、?


『・・・えぇ!? 1万円札が、この若い男性の上から雨のように

降り注いでいる! 彼の頭の中は? 金の事ばかり考えているのか?

まあ、お金がある暮らしは確かにいいよな!』



___完全に分かったよ!

この眼鏡は、その人の“欲望や願望が見える眼鏡だ!” 間違いない!!!

あの若い男性? 着古したジーパンに、ヨレヨレのTシャツを着ていた。

足元は草履、金に困ってそうな見た目だったからお金が欲しいのだろう。




 *



今度は二人の女の子が僕の前を自転車で通り過ぎた。

高校生の女の子って? なんだか初々しいな~


僕は、二人の女の子のセーラー服姿を見ていると、、、?


『・・・どういうことだよ! あんな中年男が二人は好きなのか?

僕よりも、上のおじさんじゃないか? しかも、二人で取り合って

いるなんて! 羨ましい! そいつは、どこのオヤジだよ!』




・・・うん? ちょっと待てよ! 先見た中年男性に似ているな?

まさか!? あの中年男性なのか? こんな可愛い高校生の女の子

が取り合いをしているオヤジは? 最悪だ! なんで、先のオヤジ

なんだよ! いや? なんで? あの中年男性が、、、!?




___なにしろ!

この眼鏡は凄いな! 後で【交番】に持って行こうと思っていたが、

手放せないようになってきたぞ! こんな面白い眼鏡は世界に一つ

しかない! これからも、人の本性を見まくってやるんだ!!!


___人の欲望は? 僕が考えてもみないモノまで見せてくれるよ。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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