あれ、もしかして人間って独りで死ぬものじゃないの?
第1話
大川蘭、15歳。期待と緊張を胸に、本日憧れの高専に入学します!
「はぁ~、今年も来たよ。高専の闇を何も知らない1年生たちがさぁ。」
高専通学で10代特有のきらきらと野心を失ったこの女が、この物語の主人公「大川 蘭」である。
厳しい入試試験をぎりぎりで突破し、満面の笑みで学校の門をくぐった2年前の面影はもうどこにもない。
今は校舎3階の窓から、新入生を荒んだ目で眺めるようになった。
「あんたも1年の頃は同じだったでしょうが。彼氏できるかなぁとか言っちゃってさ。」
同じ学科で2年間レポート地獄を共に生き抜いてきた親友、沙良が口を挟む。
そう、確かに高専入学時は恋愛に燃えていた。なんせ全学生の70%が男子学生。恋をするしかない。
意気揚々と投稿初日思い切り教室のドア開けたら、そこは見渡す限りの眼鏡。
もうマジで眼鏡かけてるやつしかいない。8割眼鏡。しかもフレームが細い頭いい人が付けてそうなやつ。
そして私服がダサい。チェックシャツのドレスコードでもあるの?というくらいみんなチェックシャツを着ていた。
(多くの高専は私服登校ですが、中には制服がある高専もあります。あと高専生の私服はマジダサい。by作者・高専出身)
極めつきは靴。いやいや、靴はそんなに大差でなくない?とお思いのそこのあなた、甘いです。
俊足をご存知でしょうか。コーナーで差をつける、小学生男児が好むあの靴。
高専男子は見事に俊足をコーディネートに入れてきます。勘弁してくれ。
こうして高専生活初日に蘭の淡い期待と恋愛への熱意は消えた。
というか高専男子に消された。そしてついには「人間最終的には独りで死ぬ。」と、完全に恋愛を避けるようになった。
「期待はしてなかったけどさ、毎年ザ・高専生って感じの子しか入ってこないし、今年も喪女の会は抜けられそうにないわ。」
と、蘭はぼやく。数日後、衝撃的な出会いがあるとも知らずに。
作者のさしみ太郎です。閲覧いただきありがとうございます。
多くの人にもっと高専のことを知ってもらいたい、と今回初めて連載に挑戦しました。
もし知り合いに高専生がいたら、ぜひこの小説のことを広めていただきたいです。
拙い文章ではありますが、暇なときトイレの中とかで読んでやってください。
よろしくお願いします。