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町の守り番
大黒屋の店主「おお!お役人殿!」
大黒屋の店主が声を上げた。そこにいたのは20過ぎの凜々しい見た目の青年である。
彼の周りには数人の刀をさした部下と思われる男達がいた。
「あやかしのせいかもしれぬな・・・」
青年は呟いた。
町人達もそれぞれに声を上げていた。「清司郎殿だ・・・」「部下を引き連れて見回りか・・・」「町の守り番様よお・・・」
そう、この青年は松橋 清司郎、この町の守り番の役人である。
この若さでたいそうな役人である。町の者からの評価も高い。
「町中を探せ!犯人を見つけるぞ!」
「ハッ!」
清司郎が命令し、部下が返事をすると彼らはまた別の方向へと去って行った。
噂では腕が立つと聞く・・・。
乙葉は、その噂を耳にいれつつきびすを返した・・・