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けど、  作者: 水都森
5/6

あーあ、この涙は冷たいなあ……


――journey――



Long journey


雪のように儚い呪文


掴んだときには消えていて


残っているのは 冷たさだけ



頬を伝う切なさの証は


木漏れ日の川に流された




どこへ行っても逃げ場の無い


追跡者は悩める心




Long journey


水よりも(キラ)やかな魔法


どうしても捕まえられない


手に取れるのは 空しさだけ



危なっかしい足取りが


見てられなかった幼い心




夜空の涙は


待ってはくれなかったけど




Dream journey


記憶の中に埋もれる約束


どんなに遠くなったって


薄れては くれなくて



Long journey


夢のように儚い呪文


掴んだときには消えていて



残っているのは 寂しさだけ



――――――――――












――winter's song――



電工色に彩られた 並木道


白く染められた息は


無表情な風に飛ばされた



「明けない夜はない」なんて


ありきたりな言葉だって


心 暖めてくれたのに


隣の席は空っぽで




霜に陰った桜の蕾は 一人震え


脆い糸は巡りあえずに


寂しく道に迷って消えた



「赤い糸で結ばれた」なんて


ありふれた言葉だって


瞳 照らしてくれたのに


横には風が吹き抜けた





天まで届くツリーは 光を纏い


俯く顔をあかるく照らす


柔らかな輝きは乾いた空気に響き


涙色にそまった殻を


眠る空の下 そっと脱ぎ捨てた



――――――――――










――mind heart――



雪の輝きを 私に下さい


小さな星は 消えたけど



幼い恋火(コイビ)は 澄んでいて


私の手では 消せなくて


心の声を 隠せずにいた


素直なその手に 包まれない




吹雪もとかせぬ 優しい鍵は


一体誰なら 許してくれるの?



幼い笑顔は 涙を連れて


私の目では 見えなくて


真新しい白は 水に塗れた


それでも 輝き失わず





想い言葉にしても


貴方の心には伝わらない


To understand it


Without can get it over





振り返らない そう決めたのに


欠片の誓いは すっと消えた



切ない言葉は 心に響き


瞳の灯りを 止めたけど


今日も空は 笑顔に満ちて




変わらず 季節は巡ってく



――――――――――









――Hand in hand――



鮮やかな花火が


絹に響いた


歪んだ水面(ミナモ)


二つの影を消した



貴方と繋いだ手は


風の中でも温かくて


何故だか頬に


一筋の光が伝った




眩しい光で


素直になれない


呟く宝は


床へと落ちた



貴方と繋いだ手は


雪の中でも暖かくて


何故だか心が


切なく縮んだ




透き入る心は


冷たく氷


優しい灯りも


点せなくて



貴方と繋いだ手は


さようならを選んでて


最後の瞳は


隠せなかった



――――――――――









――見えないstar's――



不器用な太陽の()から


灰色模様の涙


何処にも迎えられず


誰にも抱きしめられず


空しく地に落ちた



望みすぎた希望は


切なさに変わった





凍えた夜月(ヨヅキ)に浮かぶ


硝子色の微笑み


誰にも慰められず


何処にも行き着けずに


虚しく空を舞った



淡く苦く焦れる心は


悲しみに流された





巡り逢わぬ運命(サダメ)


世界の幼い支配者達


遥かな空の中


果て無い海の上


俯き歩いていく




――――――――――

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