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けど、  作者: 水都森
1/6

落ち込んでみるのもありだと思う

―――LIFE―――



見捨てられない昨日


無意識にささくれ広げてる


そんなに振り返っても


見えなかったものは見えない



もういいじゃん?


どんなにもがいたって無理なものは無理


そうやってつけたメリハリが


いつか輝きにつながる



机に向かうだけじゃなくて


道に出るのも必要だよ



ねぇねぇ


さみしいのなくすのって、


どうやるのか教えてよ


叱るなら


まず 心の穴埋めてからにして



――――――――――










――future――



無機質な街を歩いていく


人々の


その目はカラッポで



道端に咲く花の無邪気さがつくる


柔らかなえくぼは


誰にでもあるはずなのに




僕らは荒波に逆らうために


心に咲く優しい花の


芽を自ら摘んでしまったんだ





くすんだ空へと伸びていく


助けてと


決して聞こえない叫び声が



雨上がりに架かる虹を見る時の


綺麗な目の輝きは


僕にもあったはずなのに




僕らは潮風を避けるために


目に宿る希望の力を


固く閉ざしてしまったんだ






僕らは嵐に耐えるために


未来を指す羅針盤を


海へ自ら捨ててしまったんだ



僕らは荒波に逆らうために


心に咲く優しい花を


芽を自ら摘んでしまったんだ



――――――――――














――海底――



味わおうとも思えない時間をやり過ごす


薄っぺらな笑顔に囲まれる日々


もがこうともせず


僕の心は


いつも曇ってるこの町に沈んでた





底の見えない暗闇に(おび)


上辺(うわべ)に必死にしがみ付いた


いつの間にか


手は(とげ)だらけになってた



なんで僕らはそんなにも


ヒトリボッチが怖いんだろう


誰の手も(つな)がずに


人は生まれてくると言うのに




きらめく笑顔は


一体ドコへ消えてしまったの?


透き通ってたあの心は


いつの間にか灰色になってた



なんで僕らはこんなにも


綺麗(きれい)なことを嫌がるんだろう


愛を受けいれる気持ちが


人には与えられているのに





正直になれない息苦しさを飲み込んだ


ここは本音(ほんと)の幸せ隠す海底(うみそこ)


一筋の(ほし)


僕の見つめる仄暗(ほのぐら)い夜空を掠めた



――――――――――








――輪――



目立っちゃいけないんでしょ?


()が言ってるもんね


(まわ)り」が答え


真実が正答(ただしい)かなんて問題じゃない


みんなは"ひとり"を許さないから





"僕"を消したら ぽっかりと開いた穴


必死に無視してても


そこを吹き抜ける風は息を詰まらせる


あれ?でも笑えるよ?


何でか色のない涙も流れるけど





定規(じょうぎ)なんていらないんじゃなかった?


僕らしくいればいいんじゃないの?


前言撤回?そんなの聞いてないよ




無言の線 引っ張って


こどもだって冷たい目してる






嘘だってほんとになる


そんな世界許していいの?


いいんだよね 言ってるもんね




息苦しくてしゃがんでも


知らん振りして通り過ぎる


そしたら僕はいないんだ


それがセイカイ そうだよね?








そして 僕も「みんな」の一人


忘れちゃいないよ



さっき


うずくまり人ごみに消えてった


小さな"僕"がいたから……



――――――――――

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