1話 料理人の日記
はい、こんにちは今回は3作品同時投稿です!ぜひ他の作品も…進められる程のものではないですね、まぁいいか、よろしくお願いします!
「すいません、この少女に見覚えがありませんか?」そう言いながら目の前の男が一枚の紙を渡してきた、俺はその紙に写っている少女を確かに知っている、しかし…具体的には何も思い出せない、まるで霧がかかったかのようにはっきりとしない…
「お前さん、この少女の事を知っているのか?」ついそう聞き返してしまってから、俺は後悔した、今は仕事に専念すべきだし、何よりこんな言い方では自分が少女について知っていると言ったも当然だからだ、「えぇ、ちょっと探してましてね、ご存知ですか?」俺は改めて男のなりを見た、黒い髪に眼鏡をかけ、薄黄色の外套を羽織った青年で年は…二十歳ぐらいだろうか、眼鏡ということはこの辺に住んでいるわけではなさそうだ、そんな裕福なものを買えるのだから、少なくとも大きな都市には住んでいそうだ…
「おと〜さん、いつまで話してるの〜?」おっとマユか、やはり仕事中にこれほど時間を割くのはまずいか、「すいませんね、心当たりがないわけではないんだが…また明日ほど来てもらえますか?」と言うと彼は頷き帰っていった。
さぁ、いつまでも休憩しておくわけにはいかない、自体は一刻も争う「今戻る」とマユに告げ、熱気と活気に溢れた戦場に戻った。
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俺は今、自宅の倉庫を漁っている、時刻はそろそろ就寝の準備をしなくてはいけない頃合いだか、なぜこんなことをしているかというと、あの少女について思い出すためだ、記憶に引っかかるとはいえ、以前何も思い出さていない、ただ時期は思い出せてきた、三年ほど前だ。
三年前…つまりろくでもない記憶だという事は間違いはないが、いかんせんそれ以上思い出せず悩んでいたが、妻が「三年程前?貴方確か昔日記をつけていなかったかしら?」と言ってくれたおかげで思い出せた。
確か今ほど紙が高くなかった三年前は毎日日記をつけていたんだった、確かにそれを確認すれば一目瞭然だ、
そういうわけで俺は自宅の物置に放り込まれた日記を探しているわけだ…「あった!」ボロボロになっているが、確かに俺の字だ、日付を確認し、三年前の分を持って部屋で読んでみるとしよう。
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俺は盗賊をしている、しかもこの辺りを牛耳る盗賊団に入り、そこそこ上の地位まで上り詰めた、部下も相当数いる程だ、ただ部下の大半がチンピラ上がりでまともな頭を持っちゃいないのが残念だが、そこを除けば役に立つ部下なことに違いはない。
今回は上方部からの命令でここを通る馬車を強盗することになった、全くもって上の考えはわからねぇ、何故わざわざ馬車を強盗しなければならないのだろうか、そもそも馬車に何人乗っているのか、護衛は何人か、目的の積み荷は何かすら教えてくれなかった、
まぁその代わりにコレを渡されたわけだが…と、腰に装備している短剣を見る、一見すると普通の短剣の様だが、これは呪われた剣、すなわち呪剣だ、その性能は凄まじいの一言打、あれ程簡単に人を切るなんてまるで伝説の武器…いや、呪剣は伝説の武器か、伝承では呪剣は何万人もの人を殺した武器、それこそ村や街を殺し尽くした武器に憎しみと憎悪が剣に蓄積されてできるそうだが…果たして団はどうやって手に入れたのだろうか…
と、そろそろか「親分!見えましたで!」はぁ、親分ではないと何度言えばわかるのだろうか、それにそんなに声を荒らげなくともゴロゴロと馬車の音が近づいているだろうに…
俺は茂みから顔を出し、遠見で様子をうかがう「あれか…」
一台だけか?おかしいな、しかし情報通りだとアレになるが…
周辺を探すも護衛の姿はやはりなく、馬車の運転手もない、
ということはギア式の馬車か…よく耳を澄ませると馬車の音に混じり魔道具の可動音も聞こえる、つまり情報通りなわけか、このご時世にギア式なんてありふれているわけではないし、アレが目的の馬車か、しかし護衛もつけてないような一台の馬車の積み荷なんかに団が欲しがるものが本当にあるのだろうか…
まぁ考えるのは行動してからにするか、「1班は後ろに付き、見張れ!動きがあれば合図をあげろ!」はい!と1班のメンバーが動き出す。
さて、準備は万端だ、ガタン!と馬車が仕掛けた罠にかかった音とともに俺は「突撃だ!続け!」と声を上げ部下とともに馬車を囲む、
「乗組員は今すぐ何も持たずに降りてこい!繰り返す!一番すぐ何も持たずに降りてこい!」と叫ぶも一向に動きがない、いつもならば飛び手で来るというのに…しかし肉眼で見るとこがただな、本当に荷物など積んであるのだろうか…警戒しつつも馬車の扉を開け中の様子をうかがった、するとそこにはいくつかの箱と少女の姿があった、「は?」何故子供が?他に乗組員は…いないか、この狭さだ、予想としては荷物が少ないのか乗組員はかなり小柄な奴か子供位だろうと予想はしてはいたがまさか後者だとは…
コレ実は半分に裂きました、一話が長すぎたので、そういう訳で余り綺麗に切れてません、微妙なところで終わらせました、4月中には続きを上げたいです。