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僕は逆の意見だった彩音さんに納得がいかなかった。
「なんで助けないのですか?僕から影を取り戻してくれたように」
僕は雇い主である彼女に裏切られてた気がした。とっても悔しかった。僕はギュッと拳を握りこめた。
「私はなんでも知っているのだけど、何でも屋ではないんでね。それに君も知っている通り、他人が助けても不完全な救済しかできないのさ」
「…………」
なにも言い返せなかった。確かにその通りだ。他人からの救済だけでは、完全には助からない。だけど……。
僕は歯を食いしばりながら、少女を見つめた。
「くっ、もういいです。彩音さんには頼りません。神楽坂ちゃん、僕が助けてあげるよ。きっとすぐに救ってみせるから」
僕は少女の目線に立って目を見て言った。少女はその言葉に安堵したかのように、可愛い笑みを僕に見せた。
「ありがとうございます。おにいちゃん」
勝手に判断した僕に、彩音さんは頭を抱えた。
「はぁー?なに勝手に決めてるのよ。んぅーもう、勝手にして頂戴。この件に関しては仕事外だからね」
「わかってますよ。そんなことは。神楽坂ちゃん、きっと助けるからね」
僕は彩音さんの苛立ちを感じながらも、僕は自分の手をぎゅっと拳を作り、気合を入れた。
短みめの文字数ですが、キリがよかったので、ここで投稿しました。前の話の追加と思ってもらえたらです。