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怠惰と六人の仲間は今日を歩く  作者: 灰色の蛇
第二章 寂しさは
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七、教えて

遅れてすいません。

これからいっぱい頑張ります。

 俺とアリアは顔を見合わせる。


『どっち…って?』


『これは仮説なんだけど、彼女は魔獣に吸収されたよね。そのときに、魔獣と人の精神が混ざって、一つの人格に二つの記憶が共存してしまったのかもしれない。その場合、いずれ人格が崩壊してしまうかもね』


『そうか。ありがとう、リア』


 彼女は転生した。死んだすぐあとに、ではあるが、別の存在として生まれ変わっていることに間違いはない。


 それよりも、心配なのは。


「私は誰?違う、誰じゃない…分かってる…分かってない。分からない。分かんない。おかしい。私は私は私は、私は」


「大丈夫か?」


「っ!?」


 こちらに気付いて、目を見開いている。やはり混乱してるよな。俺達に気付かないくらいに。


「落ち着け。お前は死ぬ前までの記憶があるか?」


「死ぬ前…?そう、そう!私は死んでしまったはず!!なんで生きてる…の…?」


「記憶はあるみたいだな」


「…あ、あなたは?なにを知っているんですか?教えて!!」


「さぁな。俺はレージだ。お前は転生したんだ。転生って分かるか?」


「…はい。聞き覚えはあるます」


「なら大丈夫だ。次に、七つの大罪と悪魔について知ってるか?」


「それも知っています。お母様…??のお話に出てきてたから」


「そうか」


 それから、俺は彼女に転生の説明をした。やはり、そこまで珍しい事じゃないみたいだ。


 口調が敬語なのが少し気になる。転生してからアリアとしか話してないから、違和感があるだけかもしれない。


「なぁ、名前は?」


「あ、まだ言っていませんでした。ベルナです」


「俺はレージだ」


「ボクはアリア。レージ、ボクがいるの忘れていないかい?」


「忘れて…はいなかったぞ。大丈夫だ。……お前の事、忘れるわけないだろ…!!」


「最後のセリフがキモいよ」


「うおぉ!!傷つく!異世界の言葉使うんじゃねぇ!」


「中がいいんですねおふたりさん。そういう関係?」


「「違う(よ)!!」」


 あ、はもった。


「リアと話すと緩むんだよ。今大事なところ」


「はーい、はい。キミの殺し方でも考えていればいいんだね?」


「やめて、本気で死ぬ。謝りますから許してください」

「えっ、アリアさん怖い」


 大事な事を話そうと思ったのに、アリアは何でこう軽いかなぁ…。


「それで、ベルナ一つ聞いてもいいか」


 話題を元に戻していく。


「言うのは嫌かもしれないが、なんで死んだのか、教えてくれるか?」


 なんで死んでしまったのか。いろいろ気になることがある。


 例えば、なんでこんな森の中にいるのか。

 ゼドアが言っていたが、こんな所に人がいるのはおかしい。

 魔獣に乗っ取られるという状況も不可解だ。


 それに、仲間にするなら、そういうことは知っておくべきだ。


「…分かりました。ちょっと泣いちゃうかも知れませんよ?」


「…悪い」


 彼女は少し目を瞑り、空を見上げ、息を吸いこみ、


「…それでは、話しましょう。私の、前世のお話を」


 そうして彼女は話し出したのだった。


 人間の醜い醜いお話を。












短いですよねすいません。


次を急いで投稿します。

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