表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nympholic Amon  作者: 花街ナズナ
23/91

病みて語る記憶 (4)

昼を大きく回ったころ、アモンは目覚めた。


昨日までのとてつもない苦痛が嘘のように、今朝……ならぬ、昼はすこぶる体調がいい。


体のふしぶしがなんとなく痛むことを除けば熱も下がり、頭もすっきり晴れやかである。


(それ見ろ、たかが風邪なんぞ私の回復力からすればこんなものだ!)


昨日まで晒してきた自らの醜態は棚にあげ、アモンは意気揚々と起き上がろうとした。


起き上がろうとした……が、


胸の辺りに大きな圧迫感……というより重量感があり、身が持ち上がらない。


どういうことだろうと不思議に思い、あごを引いて自分の胸元を見て愕然とした。


テオドールが椅子に座ったまま、上半身を覆いかぶせるように自分の胸の上で寝ている。


己の腕まくらで気持ち良さげにぐっすりと眠っているその姿を見て、アモンは混乱した。


(……これは一体何事だ……?)


いかにしてこのような経緯となったのか、記憶を必死に辿ってみるが、驚くほど何も思い出せない。


昨晩、一体何があったのだ?


上げていた頭をやたらぬるくなった水まくらに落とし、しばし冷静になって思い出そうとする。


が、やはり全く記憶が無い。


「……大丈夫です。心配いりませんよ……」


寝顔に笑みを浮かべながら、テオドールがなにやらつぶやく。


どうやら寝言と思えるが、これまた何のことやら意味不明だ。


「……」


考えを尽くした結果、アモンが導き出した結論は、


(……もう一度寝よう……)


再び、静かにそのまぶたを閉じることだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ