ナバロンの手翳(かざ)し
今年の初投稿です。今回は暗い要素はありません。
正月は、お屠蘇(日本酒)やらワインやらウイスキーやら焼酎を飲んで過ごした。
おセチが並ぶような風習はなく、衛星テレビで洋画を見ながら飲んでいた。
半世紀前の映画もあって、「ナバロンの要塞」も、特に見る気もないまま見ていた。
急峻な崖の頂きに敵方(ドイツ?)の難攻不落‥‥なんか紋切り型な表現だなぁ‥‥な要塞があって、それを爆破する任務がグレゴリ・ペック率いるならず者‥‥またしても紋切り型‥‥に与えられ、成功するというストーリーである。
その中、あるシーンで、いろいろと考えてしまった。
その団体ご一行様がナバロン島(?)に夜陰に乗じて上陸し、全員が遥か頭上の要塞を見上げるシーンである。
一味の1人が要塞を見上げる時、手を額に翳し、すぐに翳した手を降ろすのである。
最初は、その役者さんの癖みたいなもので手を翳し、翳しても意味がないから降ろしたんだろうと考えた。
だが、果たしてそうなのか?
夜、高い山の頂上を見上げる時、僕らは首を上げはするが、最初から手を翳すことはないのではないか?
今日の僕らは、映画の「夜のシーン」は、事情が許す限り、昼間に、撮影カメラのレンズの前にフィルターを装着して撮影することを知っている。
ホラー映画で、家の中が怖くなってヒロインが外に駆け出すシーンなんかも基本、昼間に撮影してる。
そのような事情は、ハリウッド撮影情報を教えてくれる番組で知ることができる。
そういった、広い意味での特撮は、僕らが子供の頃に、すでに和製のキングコングやゴジラで始まってはいた。
やがて特撮の手法としてCGという言葉を知ることとなる。
一番最初の「ダイハード」を僕は映画館で見たが、ビルの爆破シーンは、本当に爆破させてるんだと思っていた。
ちょうどその頃、CGという言葉を知り、爆発炎上のシーンは、爆発させずに撮れることを知った。
そしてCGは進化していき、ついに「ジュラシックパーク」では、恐竜と人間が戦うシーンも撮れるようになった。
その頃、撮影秘話を教えてくれる番組で、夜のシーンは昼間に撮ることを知った。
そりゃ撮影クルー全員にとって、夜の仕事より、昼間の仕事がラクに違いないことは子供でも解ること。
で、僕が問題に思うのは、撮影カメラに遮光フィルターを装着し、夜のシーンを撮る技法は、何時始まったか、である。
技法の問題として捉えれば、CGみたいな技術の高さは要しないはずだし、相当に昔から、ひょっとしたら戦前から既にあった技法であったとしても驚きはしない。
そしてCGで驚愕するようなシーンが撮れるようになり、真実を小出しするような感覚で、「遮光フィルターの事実」を公表することが許可された‥‥
ならばナバロンの要塞が半世紀前の映画であっても、夜間のシーンが昼間に撮影されたとするほうが自然ではないだろうか。
であれば一味の1人がナバロンの要塞を見上げながら手を翳したのも、実際に眩しくて手を翳したのだが、瞬間、「あ、これは夜のシーンだったんだ」と思い直し、手を降ろしたというのが真実に近いのではないか。
などと、酔った頭で考えた。
そして本来なら闇夜に手を翳すNGシーンにも、ハリウッド側は、「どうせ誰もごちゃごちゃは言うまい」と駄目出しすることなく通してしまったのであろう。
しかし、半世紀が経ち、名もない作家に指摘された‥‥のかなぁ?
どなたか、映画の特撮に詳しい方いらっしゃり、僕の考えに誤りがあれば、ぜひご教示願いたいところではあります。
果たして、どうなんでしょう?




