第一話 春
『キーンコーンカーンコーン・・・・・』
私は席に着いた。足を机の上に上げ、腕を組んでため息を着く。
この頃は、ほとんどの奴が荒れていた。
私も、髪を赤茶色に染めていた
「今日は、転校生がいるぞぉ!」
熱血教師[まっちゃん]が茶髪を揺らしながら叫ぶ。
同時に、クラスがざわめきだした。
「転校生?」
「男?女?」
「どんな子??」
皆が騒ぎだす。
「男だ・・・・しかも、イケメン!」
男子はガックリと、肩を落とし、女子はざわめいた。
「ねえねえ桜、転校生だってぇ。」
髪を金色に染めた親友、智美が振り向いて話しかけてくる。
「転校生かぁ・・・・興味ないなぁ・・・・。」
私が呟くと同時に、転校生が入ってきた。
髪は綺麗な茶色、背が高くて、整った顔―――私の運命の相手、優輝だった。
「松下優輝です。よろしく!」
綺麗な声に、女子がうっとりする。
「席は、竜吾の隣だ!じゃ、1時間目は体育!全員外にでろ!」
「あーあ・・・・ダルゥ」
サトがアクビをした。
サトは体育が苦手。私はまぁ、得意。
竜吾がボールを私に向けて投げた。
「これでも喰らえ~!」
矢のように飛んでくるボール。
いつもの私なら、竜吾のボールくらい受けれただろう。
でも、今日はなぜか体が動かなかった。
避けなくちゃいけないのに・・・・
そう思った瞬間、何かが私の鼻をかすった。
「っ・・・・!!」
ボールがまっちゃんの、顔に命中する。
「おい・・・・大丈夫か?」
転校生の松下優輝だった。
「ちょっと!!もっと安全に助けてよね!アンタの靴が私の鼻に当たったんだよ!!」
「へっ!顔に穴が開くよりマシだろ」
そういうと、私の鼻にバンソウコウを、押し付けた。
「あんなボールぐらい、ちゃんと取れよな」
初めて会ったのに、まるで・・・・前から知っていたような・・・・・。
「じゃあな!」
優輝は走ってまっちゃんに謝りに行った。
「あっ!桜!!」
見上げると、桜のつぼみが膨らんでいた。
このつぼみのように、私が優輝を思う気持ちも、膨らんでいくんだね。
一回に、書く文字が少ないですが、次回もぜひ読んで下さい!