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妄想世界は今日も  作者: ラムネ
第一章 新しい生活
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1/17

スタート

俺の名前は華佗カダ

 響く学校のチャイムとほぼ同時にみんなが玄関から飛び出し、家へ帰る。

「もう夏休みかー」

 俺は友達と帰りながら雑談していた。

 すると友達の夕霧は道路の端を指差す。

「何あれ」

 みんなが一斉にその方向を見る。

 そこにあるのは…………キューブ型のおもちゃ?

 透き通るような青緑色だ。

 (なんだ、おもちゃか)

 そう思ってそれに触れると───。


いきなり視界が真っ白に包まれた。

 そして目を開けると、あたりは謎の空間。モヤモヤとしたピンク色がどこまでも続いている。

 さらにみんなの脳に流れたのは、「記憶」。

 知らない誰かと楽しく過ごしていたり、共に笑いあっている。


 気づけば、元の場所に戻っていた。

「何だったんだろう?」

「なんかキモかったな」

 特に気にせずみんなでいつもどうり帰った。

 俺は家に着いて寝っ転がって、あのことを思い返した。

「にしてもあれ、なんかデジャブを感じる。」

 しばらくしてると、庭で大きな音が聞こえた。


 外を見ようとしたら突然、窓ガラスが割れ化け物が入ってきた。

 (え…。)

 俺は声すら出なかった。しかし、何故か自然と体は動いた。

 キッチンに行って包丁を持った。

 (勝てるわけない…!)

 咄嗟に部屋の隅へ逃げてしまった。

 迫る化け物。迫る感情。ひたすらに叫んだ。

「来るな!……誰か助けて!」

 けれどそんな言葉は誰にも届かない。周りには誰もいなかったからだ。

 泣き顔のまま、叫びまくった。

「来るなああああああああぁぁぁ!!!」

 すると包丁の先から燃えたぎる炎が吹き出た。

 ギェェアアァァ!!――

 化け物は苦しいのだろう、甲高い悲鳴をあげて瞬く間に消えた。

 ゼェゼェと息を切らしながら今までのことを整理した。やっぱりデジャブを感じる。

 そう思い俺は、何かを支えるように手のひらを上に向けた。そして力を込めると、スライムのような水が出てきた。それを庭に投げると木に当たりバシャっと水が飛び散った。

 (やっぱりだ…、あ……だとしたらみんなが危ない…!)

 俺は足に力を込め、友達の凛の家へ向かった。それはとても速く、雷のようだった。

 「おい凛!大丈夫か!?」

 同じ化け物が友達の凛を襲っている。

 「華佗!?」

 俺は殴るように化け物に襲い返した。拳から炎が出て、化け物はこれはまた瞬く間に消えた。

 「話は後!」

 俺は凛の腕を掴んで、次々にみんなの家へ向かった。俺らだけこの化け物は襲っていたのだろう。

 みんなを俺の家に連れて事情を話した。

 今言うことだけど、連れてきた友達は

 リン 夕莉ユウリ 夕霧ユウギ 晶馬ショウマ

 慶斗ケイト 光哉コウヤ 涼香リョウカ タク 佳逸ケイイツ

 の九人だ。

「落ち着いて聞けよ?この世界は俺の妄想世界だ。」

華佗は早速話をし始めた。だが……。

 ………。シーンと沈黙が続く。

 (厨二病?)

 ボソッと光哉が言った。

「違う!!」

「本人は気づかないもんよ」

「ちーがーうううう!!」

 もう泣きそう……。

「話戻すけど、本当なんだよ。ちょっと分かりやすく説明するな」

 俺は紙に書いて説明した。

「まず、この世界には"能力"というものがある。そして、俺たちが暮らしてる世界の"表の世界"、とても治安の悪い暗い世界の"裏の世界"、この2つに別れちゃったんよ。」

「ほうほう。」

 みんな頷いている。俺、トークスキル上がっちゃった?そう浮かれていると、晶馬が言った。

「その、能力ってなんなん?」

「そうだな、簡単に言えば魔法みたいなものだよ。そうだ、ちょうどいい。これからみんなの持っている能力を発表しまーす!」

 話が段々追いついてきたみんなは、一気に盛り上がった。

 「ちなみに能力を2つ持っている二重能力所持者は、とてもレアだしそもそものステータスが高い。それじゃ、言ってくな」

 そして発表をし終えた。予め表に書いておこう。下から順に、

 凛:風、自然

 卓:和、残像

 晶馬:マジック、時空列車

 夕霧:岩生成、鉄生成

 夕莉:無限弾丸、ガンマン

 光哉:天使、光

 慶斗:闇、陰影

 涼莉:幻、弾幕

 佳逸:鋼、化学変化

 華佗:炎、水、氷、雷、音

 そう、みんな二重能力所持者なのだ。

 「これからどうする?」

 確かに、どうしようか。

「俺もう家帰んないと」

 夕莉は戻ろうとしたが俺は言った。

「そいえばこの妄想世界、俺たちの親は謎の理由で失踪してしまっている」

 一同「…………は?」

 ――終――

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