表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

7.緊急事態法施行…

その事が全国的な話題になるまでそんなに時間はかからなかった。


「ニュースの時間です。残念なニュースが入ってきました。軍国主義の再来とも言える緊急事態法が成立してしまいました。永田町の伊藤さん?」

「はい。伊藤です。強行ともいえる決議で成立した緊急事態法ですが、棄権や反対した議員は一人もいないとの事です。この回りには、平和団体の一行が反対コールを起こしています。」

「緊急事態法は憲法違反だ!」


一緒に戦況をいままで隠していたメディアさえも一斉に内閣をバッシングする。それは、いつの時代も同じのようだった。まるで、自分たちも被害者のような書き方。総理はそれになれているようだったけど、僕には相当理不尽な話に見えた。


たしかに僕と約束した時から、もう解っていた事。でも、総理は、僕との約束を破れなかった。自分の下手な意地みたいなものも含めて、「法律」という形で公開した。「私ができるのは、これだけしかないんだ。」といわんばかりに...。

緊急事態法は、僕…つまりは「秋人」一人に対して召集を促す法律。だからこそ、余計反対は大きい。ただ一つ言えることは、あの大国Aですら、賛成していた。誰一人ももう、後戻りはできなくなっていた。


「本当にこれでよかったのか?秋人くん。」

「これで…いいんです。悪い方向にいったら、多分世論が止めてくれるだろうから…いいんです…」


覚悟しているつもりだった。でも、僕の目からなにか滴のようなものがこぼれていた。たぶん…ナミダ…


「私も、死ねませんから。…それよりも…死にたくありませんから。」


正直な気持ち…いくら五泉総理の前でも、そればかりは嘘をつけない。本当に。


「死なせないさ。…私の命にかけても…。君への最初の指令は…生きて帰ってくる事だ。」


五泉総理は、少し涙目で言っていた。ナミダすらも道具として使われ大人の世界。でも、大丈夫だろう。この人を信じても。たぶん。…きっと…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ