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3.俺が戦士?嘘だろ?

―地球外生命体SR9781により、地球侵略。日本政府自衛隊の増強図る(特殊戦闘部門の発足か?)

 そんな記事を見ただけでも、体が震えたのに……なのに……


「事前資料通りです。彼の一部かと思うくらい波長が一致します。たのサンプルのデータとは比べ物にならないくらい、ぴったりです。ただ、拉致に近い状態で連れてきちゃった訳ですし、納得しますかねぇ」

「無理を承知で、彼に頼み込むしかなかろう。地球は宇宙の塵と化してしまうのを防ぐ方法はそれしかなんだから。…ただ、万が一の覚悟はしとけ。」


そんな事をしかも目の前で聞かされるなんて……


「うそだろ!なんでだよ!早くうちにに返せ!」


気がついたら、そう叫んでいました。とても気絶しているふりなんてできなかった。だから、この部屋中に聞えるような大声で。

その声は部屋中に響いた。そのせいか男達は黙り込み、あたりはとても静かになった。自分の心臓の音がとてもうるさく聞こえる。でも、時がたつにつれ元にもどっていった。


「俺は嫌だ!。得体の知らない奴と戦うのは。」


 僕は、訳が判らなかった。全く訳が判らなかった。だから、その主張は当然だとも思うのだけど、正直自分が何を言っているかすらも、よく判らなかった。その言葉を聞いて、ある男が、僕の前にきた。そして真剣な顔で僕に話を始めた。


「報道は、国民を混乱させないため、記者クラブとの協定で差し止めてあるのだが…秋人君には話す必要があるようだ。」


 彼曰く、この日本固有の記者クラブという特殊構造のおかげで特に特殊な法律を作るまでもなく、報道を止める事ができたらしい。そしてその辺はアメリカを含む他の政府とも合意済みで、国際的な通信社からもその手のニュースが差止められている状況だったそうだ。…つい先日まで。

…しかし、なにか見たことのある顔。

「実は、すでに、その宇宙人から、2ヶ月前から宣戦布告があったんだ。宣戦布告後に、国連は、国連軍をだしたのだが、ぼろぼろで。つい最近まで、アメリカ軍が、助けてくれたのだが、それも全滅。」


立場上、いままで自衛隊を出すことができなかったという事らしい。憲法解釈の問題らしい。それはなんとなく知っている。


「今、残っている、戦闘可能なものは、我が国の自衛隊のみしか残っていないんだ。」


切羽つまっているという事までは判った。ああ、思い出した。この顔はニュースとかでよく見る内閣総理大臣五泉首相だ。


「確かに、自衛隊はかなりの軍備をしている。ただ、正規に軍隊として軍備をしている国に比べて、運用ノウハウもないし、軍備も他国の戦況をみる限り不足している。だから、新たな戦い方を模索せざるを得なかった。」


首相がそう言い切る前に、白衣の男が設計図らしきものを持ってきた。

「敵を分析した結果、構造物じゃなくて生身に近いものでなければならないという結論が出てしまったんです。」


白衣の男は設計図のようなものの前で、そう答えた。悪く言えば生贄とも解釈できる内容。僕は自然に口から言葉が出ていた。


「それで、それに合う人間を用意しなくてはならなくなった。って事ですか?」

「まあ、平たくいえば、そう…だ。彼が説明したとおりロボットじゃない。生き物を模倣したうつわだ。しかも厄介な事に誰でもそいつをコントロールできる訳じゃない。つまり、唯一波長があった君が必要って事だ。」


嘘であればどれだけ気持ちが楽だろう。ただ、どうやら本当の事らしかった。


―僕の頭の中は、完全に真っ白になっていた。

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