表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

番外編 ココロはいつもエピローグ

突然すっとんで、コトはある程度終わっちゃってます。

優子と秋人が久しぶりにあった喫茶店で昔ばなしをしています。


当時、書く予定だったプロットを思い出しながら、要素として書き込んでいます。どの辺で挫折したのを笑うのもいいと思いますし、

「その部分、詳しく聞かせろ」ってのがあれば書くかもしれません。

道路の渋滞。…敵だったはずの異星人が交差点の雑踏に混じる光景。


あれだけ争って、そして傷ついた事が全く嘘のように流れている。…僕はといえば、不本意であれど、あれだけ世界的に名が知れてしまった手前、どうやらもう普通の生活はできないようだ。


(…変わったのは…住民構成とボクの人生かぁ…。)


「ダメですよ!勝手に出歩いちゃ!あなたに万が一の事があったら、せっかくまとまった国交すら崩れかねない大切な人なんですから!」


今では、政府から派遣されたSPがついて、なんともやりにくい状況になっている。まあ私もよくわからないので長ったらしい役職名を言うつもりはないのだけど、つまりはそういう役職らしい。

ちなみにこの子はボクのSPを担当してくれてる有紀さん。腕はたつ人なのだが、ドジっ娘の部類に入ると彼女の同僚も言っているくらいドジが多い。今の首相がちょっとオタクらしく、気をきかせてくれたとの事だが、いったいなんの事やらわからない。

その役職での業務での秘書の役目も兼ねていて、いつもスーツか(何故か)メイド服。たしかによくわからないが、悪い人ではないというのはよくわかる。


「…秋人君?」


聞き覚えのある声で、ボクを呼ぶ。そりゃそうだ。あの戦いが終わった後、挨拶をする時間もないまま新たな安保条約の元の人材交流の一環で相手の惑星に出張した優子さんだからだ。


「あれ?もう期間満了されたんですか?」


そうボクは声をかけた。その笑顔はあのとき以来…そのままだった。


「ええ。先日、種子島に戻ってきたとこ。昨日、先方から提案があった民間の技術協力に関して、…管轄省庁だから総務省と文部科学省と厚生労働省に提案に。国内の移動にもワームホールが使えたら早いのにね。」


先方…つまりは、ボク達が戦っていた相手の軍事用の転送装置も国内での生産に成功し、それを使った惑星間のビジネス交流が始まったのがほぼ半年前。どうやら優子さんはそれを使って返ってきたらしい。


「暑いから、そこの喫茶店入って話さない?SPさんも一緒に…ね。」


優子さんの提案にのって、目の前にあった喫茶店に入る。テレビに出る芸能人ではないにしても、「ほとんどの国民が知っている有名人」だ。視線が一斉に集中する。マスターが見るに見かねて個室に案内する。


「…まあ、悪い事を話すわけじゃないんだけど。私達もとんでもなく有名人になっちゃったわね…。」


コトがコトだけに、仕方が無い事ではあるのだけど、お互いに個人の行動がとりにくい状態になっているのだ。


「なんか、ボクの元実家と強制的に連れて行かれた地点が観光名所になってるらしくって…。文化遺産にしようじゃないかって話が出てきてもう大変。」


講和条約の締結から、いままで地球にはなかった技術も含めて大量に流入してきた。でも、割と暮らしぶりとか普段の生活がそれほど大きく変わったと言うことは無いのだ。そう、やじうま根性的なところもね。(まあ、確かに戦時中は相当落ち込みましだけども…。)


「ホント、かわんないわね…。秋人くん。」

「それはお互い様でしょ。優子さん。」


…変わっているのは、周りの待遇くらい。まあ、少し歳をとったかな…。


「だって、戦っていた時の人間不信になるような事故や上官の言動、生きていられないくらいの絶望、信じていた人の転落と逝去。あの時にあれだけ味わってたら、ちょっとやそっとのコトじゃわかりませんよ。」

「…その経験をさせた当事者でもあるわけだよね…私は。」


たしかにそれは間違いじゃない。けど、この間、ココロのよりどころになっていたのは、まぎれもなく優子さんだし、優子さんがいなければ、今頃私がこの世にいたかどうかも自信が無い。


「そろそろ七回忌よね。…五泉さんの。」

「ええ。…もう20代ですから彼女ができましたって報告できればいいんですけどね。」


そう言ったあと、隣の有紀さんがわたわたしていた。


「いい娘なら、そこにいるじゃない!」

「え、有紀さんは…キライではないですけど…あくまでもカワイイ同僚だし…」


机の上の花瓶に顔を真っ赤にしたボクが写っていた。


「いわなかったっけ?私の旦那は元私のSPよ?」


…となりの有紀さんまでが真っ赤になっていた。お互い仕事に支障がでなきゃいいけど…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ