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晴れた日には、恋をする  作者: 月舟 蒼
第一章 梅雨

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4/41

1-3

 学生たちの注目を浴びたあまねは、しかし特別恥ずかしがる様子もなく、席を見渡した。空いた席を探しているのだろう。ものじすることもなく、段になっている教室を登っていく。視線は直陽なおはるのいる列の中ほどの席に注がれていた。見た感じ、あまねは直陽に気付いていない。

 通路側にいる直陽が動かない限りあまねはお目当ての席に入れない。自然とあまねの視線は直陽に向く。

 ここであまねが気付く。ぱっと笑顔になり、

「あ、直陽くん!」

とやや大きな声を出す。

 恥ずかしいから大きな声を出すなよ、と直陽は思いながら、まあ、あまねさんらしいかなとも思う。こういう子は実は嫌いではない。

「大きい声を出しちゃってごめん。座ってもいいかな?」

 さすがにまずいと思ったのか小声になる。

「うん」

と言って直陽は右にずれ、通路側の席をあまねに譲った。

 持っていたハンカチで、雨で少し濡れた髪や、汗を拭き取る。あまねは直陽の視線に気付き、

「⋯どうしたの?なんか変?」

と言う。じっと見ていたことに気付いた直陽はちょっと慌てて、

「いや、なんでも」と答える。

 少ししてからあまねが直陽に小声で話しかけてきた。

「直陽くんもこの授業取ってたんだね」

「うん」

 授業に集中し始めた直陽を見て、あまねはそれ以上話しかけてはこなかった。


 授業が終わり、直陽が話しかける。

「あまねさんもこの授業受けるためにあのバスに乗ってたんだね」

「そうそう。でなきゃ普通は寝てる時間だよね」

「でも盛大に遅刻してたね」

「いやー、まあ、ね⋯」

 あまねはばつがわるそうに頬を掻く。

「実は⋯寝坊しちゃってさ⋯」

「寝坊?どこかで寝てたの?」

「まあ、そんなとこ。⋯じゃ、ごめん。行くね」

 そう言ってあまねは足早に教室を去った。

 直陽は、なんだか、せわしない子だな、と思った。


**次回予告(1-4)**


誰もいない写真部の部室で少し焦りを覚える直陽。カメラを持って散歩に行くことにするが⋯。

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― 新着の感想 ―
まだここまでしか読めていませんが、描写が丁寧で良いですねえええ!! 甘酸っぱい(^^)! ここからどう発展していくのか、運命とは何なのかどきどきしながら読んでいきます!!
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