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晴れた日には、恋をする  作者: 月舟 蒼
第八章(終章) 小説
104/104

8-2

 映画を見終わり、近くのカフェに入る。まだ肌寒さは残っていたが、天気も良く気持ちが良かったので、外の席に座った。

「どうだった。何か得られるものはあった?」と直陽が訊く。

「小説を書こうとしてて、何をどう生かせるかなって視点で見ると、映画を素直に楽しめないというのは分かった」

「あはは、なるほど」

「でも⋯一種のテンプレみたいなのは分かったかも。出会い、接近、障害、迷い、決断、告白⋯。でもあと何か一つが欲しい」

 それを聞いて、直陽は鞄の中からカメラを取り出した。

「ここは原点に立ち返ってみたらどうかな」

「あ!コラボ!いいね!」

 そう言って、あまねは直陽の隣に椅子を移動させて、スマホを取り出した。

「最近撮ってない」

 そう言って、スマホを構えて、

「直陽くん、ここ見て。一緒に撮ろ!」

 と言って、写真を撮った。

 そして、スマホを操作して直陽に送信した。

「今送った」

 送られてきた写真を見る。

「そういえば」直陽は思い出したように言う。「チキンカツ記念の写真、久しぶりに見てみたら、俺すごく困惑した顔で写ってんの。本当は嬉しかったくせに」

「ごめんね。確かにあの時はちょっと強引だったかも」

「あれ?」直陽が何かに気付く。

 そして、カメラを持って周りをウロチョロし始めた。

 あまねもそれについていく。

「どうしたの?」

 直陽は、カフェのオープンテラスの端のブロックの上を指差した。

 そこには黒猫が一匹、気持ちよさそうに眠っていた。

 直陽は、手に持っていたミラーレス一眼で写真を撮る。その気配に気付いたのか、その猫は目を覚まし、カメラに目を向けた。

「なんかこの猫ちゃん、かわいいんだけど、どこか貫禄も感じられるね。今にも話し出しそうな――あ」あまねは何かに気付いて「その写真もらっていいかな?」と訊いた。

「もちろん」

 送られてきた写真を、あまねはじっと見る。

「話のスタートをどうするか決めかねていたの。それが今決まった」

 そう言ってあまねは晴れ晴れとした顔をした。

「タイトルも決めた!」

 あまねは空を見上げ、春らしい陽光を浴びながら、直陽にそのタイトルを告げた。


【終】


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